京都祇園もも吉庵のあまから帖32022/10/13


京都祇園もも吉庵のあまから帖3

「京都祇園もも吉庵のあまから帖3」 志賀内 泰弘・著 PHP文芸文庫
かつて一世を風靡しながら、不慮の事故で行方を晦ました歌舞伎役者が、15年ぶりに京都に姿を現した理由とは。茶会の準備で老舗和菓子屋の女性が見せた「おもてなし」の神髄。ようやくお店出しが決まった舞妓に思わぬ事態が…。花街祇園にひっそりと佇む一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」を営む元芸妓・もも吉と、そこに集い、慎ましくも誇り高く生きる人々の哀歓を描いた連作短編集。
老舗和菓子屋で、社長秘書になった女性、舞妓の修行中の女性、何度の出てくる人もいるし、単発に出てくる人もいます。特に和菓子屋の朱音ちゃんは、気になります。仕事がのろいと言われながらも、心優しく、何にでも一所懸命です。本人は落ちこんでいるのに、多くの人の心をとらえているようです。
心配なのは、舞妓のお店出しが決まったのに、過去のトラウマから、話せなくなってしまった奈々江ちゃんです。芸妓をやめて、タクシードライバーに転身している美都子が、奈々江ちゃんのお店出しのために、芸妓に戻るというのは、ちょっと驚きました。奈々江ちゃんを妹分として、挨拶して回ります。タクシードライバーもやりながらです。個人タクシーだから、融通がきくのかもしれませんが、簡単に復帰できるのですね。おそらく一時的だと思いますが、さてどうなるのでしょう。奈々江ちゃん、元のように話せるようになるのはいつでしょう。続きが気になります。

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