シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!2020/11/28


シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!

「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」 ヒューマントラストシネマ有楽町
1897年、パリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタン(トマ・ソリベレ)は、スランプ状態に陥っていた。そんな彼のもとに、大物俳優コンスタン・コクラン(オリビエ・グルメ)の主演舞台を手がけるチャンスが舞い込む。しかし決まっているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」というタイトルだけで、執筆は一向に進まない。そんな中、親友レオが愛する女性ジャンヌと、レオになり替わって文通することに。彼女との詩美あふれる手紙のやり取りに刺激され、自身の脚本執筆もついに進み出す。やがて、借金だらけの俳優や気まぐれな女優ら崖っぷちの舞台人たちが劇場に集い、それぞれの人生を懸けた舞台の稽古が始まるが……。
昔のロンドンの街並みがかっこよかったです。この時代に産声を上げた、「シラノ・ド・ベルジュラック」が、今でも、キャスティングが変わりながらも、舞台で演じられていることに感動します。私はジェラール・ドパルデューの映画のイメージが強いです。なんてぴったりなシラノ役だったのでしょう。鼻のメイクしなくてもいけるのでは。まだこれから「シラノ」の映画化もあるようなので、見てみたいなぁと思いました。さて、こちらの映画は「シラノ・ド・ベルジュラック」を書いた人の話です。ドタバタで、短期間に構想を練って、執筆。難問が次々と起こり、舞台が始まっても、更なる出来事が、生みの苦しみの果てにいきついたものはという感じでした。演劇の中のことと、劇作家の生活の二重構造の面白さと、舞台の中の最終幕の演出など、映画ならでは工夫がありました。満足して劇場(映画館)を後にしました。

★★★★☆ 4