ぼくのメジャースプーン ― 2025/05/14

「ぼくのメジャースプーン」 辻村 深月 講談社文庫
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対し、ぼくができることがある。チャンスは一度だけ。これはぼくの闘いだ。
不思議な話だったけど、主人公は小学4年生の「ぼく」。幼いながら、キチンとした考えを持っていて、思慮深く真面目に頑張る姿に心打たれました。ふみちゃんも良い子。そんなふみちゃんが、もとに戻ってほしいと願います。主人公には特別な力があり、その力の使い方について、遠い親戚である秋山先生に教えを受けます。秋山先生のキャラクターも良かったです。押し付けず、考えを尊重してくれます。対決の日に向けて、毎日悩み、考えていきます。読者も何がベストなのか、主人公とともに考えさせられます。成長を見守る気持ちでした。気に入りました。
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