由宇子の天秤2021/10/02


由宇子の天秤

「由宇子の天秤」 ユーロスペース
3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子(瀧内公美)は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしている。その一方で、父・政志(光石研)が経営する学習塾を手伝い、父と二人三脚で暮らしていた。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる。
主人公由宇子は、忖度なしに真実を追求していくディレクターとして、バリバリと仕事をこなしています。取材する相手に寄り添って、本音を聞き出します。でも、身内の問題に突き当たった時、悩みながらも、葛藤し、気持ちが揺らいでいくのです。明るい話ではないけど、主人公と一緒になって、どうすれば良いのだろうか、どうなるのかと、引き込まれて観ました。
主役の瀧内公美さんは、「彼女の人生は間違いじゃない」という映画で見た時に、美しい人だなぁと思っていました。そういえば、どちらの映画もお父さん役が光石研さんでした。

★★★★☆ 4

蟻の菜園 アントガーデン2021/10/03


蟻の菜園 アントガーデン

「蟻の菜園 アントガーデン」 柚月 裕子・著 角川文庫
車中練炭死亡事件、結婚詐欺容疑で43歳女逮捕、複数の男性殺害に関与の疑いがある。フリーライターの今林由美は、美貌に恵まれている容疑者が何故?興味を持ち、ツテを頼って調べ始める。容疑者・冬香には、アリバイがある。冬香の過去を追いかけて、北陸へ向かうと、30年前の事件にたどり着くが、証拠がなく暗礁に乗り上げてしまう……。
とても面白かったです。ずっと読みたくなります。事件を調べるフリーライター由美の設定が良いです。離婚歴がありライターになったが、仲の良い同期は、編集長になっています。格差が出てきているけど、それぞれに長所と短所があります。由美は持ち前の粘り強さで、新聞社の人に情報をもらい、協力しあっていきます。この新聞社の人も良いです。昔のバリバリの記者と言う感じで、ガッツがある由美だから、良い関係ができます。キャラクターがみんな立っているので、映画のようになっています。誰が演じたら良いかなと想像します。過去と現代が交錯し、構成も良かったです。何があったのかが、明らかになっていく過程は、読んでいるスピードもアップします。

先生、私の隣に座っていただけませんか?2021/10/04


先生、私の隣に座っていただけませんか?

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」 シネスイッチ銀座
漫画家・佐和子(黒木華)の新作漫画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」。そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、さらに佐和子の夫・俊夫(柄本佑)と編集者・千佳(奈緒)の不倫現場がリアルに描かれていた。やがて物語は、佐和子と自動車教習所の先生(金子大地)との淡い恋へと急展開する。この漫画は完全な創作なのか、ただの妄想なのか、それとも夫に対する佐和子からの復讐なのか。現実そっくりの不倫漫画を読み進めていく中で、恐怖と嫉妬に震える俊夫は、現実と漫画の境界が曖昧になっていく。
漫画家同士の夫婦なのですが、奥さんは売れっ子らしく、旦那さんはアシスタントや奥さんの運転手などしていて、ずっと作品を描いていないのです。編集者と浮気しているけど、基本的には優しくて、奥さんのお母さんも、大切にしてくれています。お母さん役は風吹ジュンでした。一緒にご飯食べたり、桃を食べたり、美味しそうでした。個性的なキャラクターが多く、特に奈緒さん演じる編集者は、ちょっとサイコな感じがしました。担当漫画家のお主人と浮気しておいて、平気で奥さんと仕事しているし、バレているかもしれないのに、楽しんでいるように見えました。女はみんなしたたかだなと思える映画でした。
上映の後に堀江貴大監督のトークショーがありました。映画の撮影時の話など、面白かったです。不倫映画だけど、ユーモラスに描いています。特に柄本佑さんの狼狽えぶりは楽しかったです。漫画は本当の事なのか、想像なのかに、翻弄されます。

★★★★☆ 4-

カフェオレ2021/10/05



神保町の“カフェトロワバグ”へ、友人と行きました。カフェオレを飲みました。お店の雰囲気が良いです。

総理の夫2021/10/06


総理の夫

「総理の夫」 丸の内東映
政治家で少数野党の党首を務めている凛子(中谷美紀)と結婚10年目を迎えた鳥類学者の相馬日和(田中圭)は、ある朝、凛子から「もし私が総理大臣になったら何か不都合ある?」と意味深な言葉を投げかけられる。質問の意図がはっきりしないまま、出張に出かけ、ろくに電波の届かない孤島で10日間を過ごす。しかし、その間に世間は激変。凛子が日本初の女性内閣総理大臣に選出されていた。そのことで自動的に史上初の「総理の夫」となった日和は、微力ながらも妻の夢を全力で応援しようと心に誓うが、予想だにしない激動の日々に巻き込まれていく。
原作は原田マハの小説。ドタバタとしながらも気楽に楽しめる映画でした。でも、想像通り過ぎる気もします。2人の住む家がとても豪華で広い家なのですが、田中圭さんがそんなにお金持ちに見えなかったです。「おっさんずラブ」のように、いろいろと翻弄される役柄でした。ちょうど日本も新内閣発表されたりしています。まだ女性総理大臣の誕生はなかったですが、将来はあるのでしょうね。
中谷美紀さんの総理大臣は、凛としてきれいで良かったです。田中圭さんの職場や、家族の人たちは、ちょっと大袈裟で漫画っぽく演じていました。

★★★☆☆ 3+

Our Friend アワー・フレンド2021/10/07


Our Friend アワー・フレンド

「Our Friend アワー・フレンド」 ユーロライブ(試写会)
2人の幼い娘を育てながら、懸命に毎日を送っていたジャーナリストのマット(ケイシー・アフレック)と劇団女優の妻のニコル(ダコタ・ジョンソン)。しかし、ニコルが末期がんの宣告を受けたことから、家族の日常は一変する。妻の介護と子育てによる負担が重くのしかかるマットに救いの手を差し伸べたのは、2人の親友デイン(ジェイソン・シーゲル)だった。過去に夫妻に助けられたデインは、遠く離れたところに住んでいたのに、彼らの家に住み込んでサポートすることにする。
夫婦の人生をコラージュ風に描いているのか、時間軸がバラバラで、現在と過去を何度も行き来します。それも、あっちこっちの時間なので、ちょっとわかりづらい気もします。でも、すれ違いもあったけど、家族を愛し、かけがえのない日々が描かれています。そしてずっと支えてくれる親友がいます。哀しいですが、終わり方が良いから、温かい気分になりました。でも全体的には、泣けてしまいました。
「Esquire」誌に掲載され、全米雑誌大賞を受賞したエッセイを映画化。実話がもとになっています。デインは仕事や恋人の事もさしおいて、マットたちを支えるのですが、そんな親友のいる人がいるでしょうか。デインはもともとはニコルの友達ですが、マットとも知り合う初めの頃、マットとニコルが結婚した頃、マットの仕事が忙しくなって、ほとんど家にいない様子など、夫婦の歴史やデインの心境の変化などが、静かに綴られていきます。娘たちにとっても、デインはもう一人の家族のような、友達のような存在です。深刻になりそうな時に、さらりと助け船を出したり、マットを連れ出して気分転換させたりします。良い映画でした。

★★★★☆ 4

駆ける百合 上絵師律の似面絵帖2021/10/08


駆ける百合 上絵師律の似面絵帖

「駆ける百合 上絵師律の似面絵帖」 知野 みさき・著 光文社文庫
シリーズ第6弾。涼太と祝言を挙げ、青陽堂の嫁としての新たな生活を迎えた律は、息抜きに出かけた先で、同じく嫁いだばかりの女たちと知り合う。悩みを打ち明け合える知己を得て心強く思う律だった。一方、池見屋で、律は義母の佐和もよく知る由里という女性に出会う。彼女は何やら心に憂いを抱えている様子……。
前作から、ずいぶん間があいてしまったので、思い出しながら読みました。
祝言を挙げようとした日に、事件が起き、先のばしとなっていたけど、やっと夫婦として暮らせるようになりました。まだ初々しい悩みなどがあります。駆ける百合というタイトルはどういうことかと思っていましたが、読んでみると納得できました。厳しめなお姑さんですが、理解しあって、ちょっと距離も縮まってきたように感じました。商家の嫁となっても、上絵師の仕事はさせてもらって、恵まれていると思います。

ハロウィンポッピングドーナツ2021/10/09



スタバのハロウィンポッピングドーナツです。ドーナツ生地は、ブラックココア入りで、黒くて、紫いもパウダーを混ぜ込んだコーティングで、このような色になっているそうです。中に紫いもペーストのフィリング入り。ハロウィンっぽい、色合いです。