ジェントルメン2021/05/16



「ジェントルメン」 TOHOシネマズ市川コルトンプラザ
舞台はイギリス。大麻の栽培・販売で財を成したアメリカ人ミッキー(マシュー・マコノヒー)がビジネスを売却するという噂が。大富豪、ゴシップ誌編集長、私立探偵、チャイニーズマフィア、ロシアンマフィアなど、それぞれの思惑が、絡み合って大騒動……。
ガイ・リッチー監督らしく、冒頭シーンから、スタイリッシュな映像でした。話は複雑で、単純には楽しめないですが、よく練られていて面白かったです。ミッキーの奥さん以外は、女っ気が少なく、クセ者ばかりの悪人ばかりの映画でした。ジェントルメンのタイトルに相応しく、ファッションが上質、音楽も凝っています。みんなクセがあるけど、役的には、コリン・ファレルがオイシイ。
ブライアン・シンガー監督の「ユージュアル・サスペクツ」や、タランティーノ監督が好きな人にオススメ。007シリーズもガイ・リッチー監督が撮ったら、また新たな魅力が出そうな気がします。この映画は激しいアクションはあまりないですが、駆け引きの妙が見どころです。

★★★★☆ 4

ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから2021/05/10


ラブ・セカンド・サイト

「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」 イクスピアリ
高校時代に出会って、大恋愛の末に結婚したラファエル(フランソワ・シビル)とオリヴィア(ジョセフィーヌ・ジャビ)。人気SF作家として多忙な毎日を送るラファエルと、小さなピアノ教室を運営するオリヴィアの夫婦生活は次第にすれ違っていく。オリヴィアと大ゲンカをした翌朝、ラファエルが目覚めると、別の世界になっていた。そこは夫婦の立場が逆転していて、ラファエルはしがない中学教師、そしてオリヴィアは人気ピアニストで、ラファエルのことを知らなかった。
「パリのどこかで、あなたと」が良かったので、主人公が同じフランソワ・シビルだったので、見ました。パラレルワールドを描いたファンタジーラブストーリーでした。フランス映画にしては、ガチなロマンスで、悪くはないけど、ちょっとメロドラマ過ぎるし、他の世界へ行く原因に、説得力がない気がします。映画だから良いのかもしれないですが。フランスだとどこでも絵になります。雪のパリや、郊外の海辺など。本当に大切なものは何かを探す映画でした。
ビートルズを知らない世界へ行ってしまう映画「イエスタデイ」にもちょっと似ている気がします。 

★★★☆☆ 3+

ブータン 山の教室2021/05/02



「ブータン 山の教室」 岩波ホール
若手教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)は、ブータンの秘境、ルナナにある学校へ行くように言われる。教師を辞めてオーストラリアに行ってミュージシャンになりたいと思っているウゲンは、渋々ルナナに行く事になる。1週間以上かけて辿り着いたその地には、真っ直ぐな瞳で彼を待つ子どもたちがいた……。
可愛らしいポスター写真とは違って、主人公はブータンの都会に住むやる気のない若者。スマホをいじったり、ゲームをしたりする今時の男の子でした。大変な山道を超えて着いた先は、アルプスの少女が住んでいるような、標高4880メートル、物資も乏しいブータンの中でも秘境の地です。自然を敬い素朴に暮らす村人たち。子どもたちは学ぶことに、好奇心いっぱいです。写真の委員長ペンザムちゃん、とてもかわいかったです。世界一幸福度が高い国でも、外国に行きたい人もいるのだなぁと思いました。教師に向いてないし、やる気がなかったウゲンも、子どもたちや村人たちとの関わりの中で、変わっていきます。ドキュメンタリーのように、本場の生活を映しつつ、何もないけど、幸せなのではないかと、豊かさの意味を考えさせられます。ちょっと「神去なあなあ日常」を思い出しました。
話の流れは、もうちょい押した展開が欲しい気もしますが、ルナナへ行く前と行った後のウゲンは、大きく変わったのだと感じました。

★★★★☆ 4

椿の庭2021/04/13


椿の庭

「椿の庭」 シネスイッチ銀座
庭に椿が咲き誇る一軒家。長年連れ添った夫を亡くした絹子(富司純子)は、夫と子どもたちとの思い出が詰まったその家で娘の忘れ形見である孫娘の渚(シム・ウンギョン)と暮らしていた。夫の四十九日を終えたばかりの春の朝、世話していた金魚が死んでしまう。金魚は椿の花で体を包まれ、庭の土へと還っていった。庭に咲く色とりどりの草花から季節の移ろいを感じ、家を訪れる人びとと語らいながら、過去に思いをはせながら日々を生きる絹子、そこの寄り添っている孫の渚。しかし……。
失われつつある美しい日本の風景。空や海、庭の美しさ、鳥のさえずりや、虫たち、うっとりする映像美でした。
広告写真などを手がけるカメラマンの上田義彦氏の初監督作品だそうです。
シム・ウンギョン演じる渚の母は亡くなっているけど、もう1人の娘の役が鈴木京香で、主に3人が中心に描かれています。
シム・ウンギョンやチャン・チェンが出ているというので、興味が湧きました。良かったし、話も納得できますけど、ゆったりしたムードなので、眠くなりました。これぞ日本の美しさという感じです。海を臨む高台の家なので、高級住宅なのでしょうけど、昔っぽい電話やレコードプレーヤー、果物を食べたり、懐かしい風景でした。

★★★☆☆ 3+

街の上で2021/04/12


街の上で

「街の上で」 シネマカリテ
下北沢の古着屋で働く青年・荒川青(若葉竜也)は、たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、基本的にひとりで行動している。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。
「愛がなんだ」の今泉力哉監督、「愛がなんだ」でとても印象深かった若葉竜也を主演にして、成田凌が友情出演していました。
若者の恋愛群像劇なのだろうけど、下北沢ならではの、オシャレな生活感が良かったです。若い頃は下北沢が、好きだったけど、もうあまり行くこともなくなってしまいました。駅の様子が変わっているけど、雰囲気はそのままですね。ザ・スズナリも今もあるし、飲食店や飲み屋がいっぱいあります。
出てくる女性たちが、かわいい人ばかりでした。
割りとスローテンポで主人公のとある日々が綴られています。若い人が見た方が響くかもしれませんが、とても面白かったです。結構、クスクス笑ってしまうのです。

★★★★☆ 4

アンモナイトの目覚め2021/04/10


アンモナイトの目覚め

「アンモナイトの目覚め」 TOHOシネマズシャンテ
1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジス。
人間嫌いの古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)は、世間とのつながりを絶ち、この町で暮らしている。かつて彼女の発掘した化石が大発見として世間をにぎわせ、大英博物館に展示されたが、女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られた。今は土産物用のアンモナイトを発掘し、細々と生計を立てている彼女は、ひょんなことから裕福な化石収集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を数週間預かることになる。美しく可憐で、何もかもが正反対のシャーロットにいら立ち、冷たく突き放すメアリー。しかし、自分とあまりにかけ離れたシャーロットに、メアリーは次第にひかれていく。
監督は初長編作「ゴッズ・オウン・カントリー」のフランシス・リー。「ゴッズ・オウン・カントリー」が好きなので、楽しみにしていました。女同士より男同士の恋愛ものの映画の方が、私は好きです。でもこの映画も良かったです。反発しているようで、とても気になっていたのか、次第に引かれあっていく2人。最近の映画「燃ゆる女の肖像」に、似ているところがあります。海に近い舞台でしたし、優秀な女性であっても、なかなか認められない時代。それぞれの映画の良さがありました。この時代のファッションも素敵でした。ケイト・ウィンスレット、シアーシャ・ローナン2人とも熱演です。ゴッズ・オウン・カントリーのアレック・セカレアヌも出演していました。

★★★★☆ 4

騙し絵の牙2021/04/08


騙し絵の牙

「騙し絵の牙」 TOHOシネマズ上野
出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松(佐藤浩市)が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが……。
「罪の声」などで知られる作家の塩田武士が大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説を映画化。
原作を読んでいましたが、大きな流れは似ていますが、かなり違っていました。名前も同じ人もいるけど、違う人もいました。原作を読んでいる人でも、新鮮に楽しめます。小説は大泉洋をあてがきしているから、原作の方がもっと、バラエティに出ている時の大泉さんのようなところもありました。原作にあったモノマネはなかったです。映画では松岡茉優も、Wで主人公のようになっていました。大手出版業界の権力争いや、作家や編集の人々、小さい本屋さんの奮闘など、出版に関わるあれこれが、興味深いです。私たちが小さかった頃は、町の本屋さんへ買いに行っていたけど、今ではすっかり変わってしまいました。大きい本屋か、通販ばかりです。ノスタルジックな気分です。この本屋さんも、原作にはなかったような。
クセ者ばかりの騙しあいで、面白かったです。騙しあいというより、出し抜きあいのように思いました。複雑な人間模様を、巧みにまとめてありました。國村隼の大御所感、仕事のできそうな木村佳乃が、上手いなぁと思いました。

★★★★☆ 4

ノマドランド2021/04/05


ノマドランド

「ノマドランド」 TOHOシネマズ日比谷
ネバダ州の企業城下町で暮らしていた60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。キャンピングカーに荷物を詰め込んで、“現代のノマド(遊牧民)”として、季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることに。毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を生きる彼女の旅は続いていく。
キャンピングカーで旅をしながら働くというのは、カッコ良いところもあるけど、この映画を見ると大変そうです。比較的、高齢者の方々にスポットを当てているし、主人公は女性なので、危険じゃないのか、心配になります。仕事が安定してあるのかどうか、車の故障など、突発的な出費だってあります。トイレや駐車スペースの問題もあります。しかし、こういう生き方によって、救われたり、意義を感じることもあります。特別なエンターテイメントではなくて、ありのままを伝えるような映画でした。大自然の映像美も楽しめます。夕暮れや明け方の空が美しかったです。人生の憂いや、生き様、同じノマドの人々との交流など、見どころは多いですが、静かな映画なので、ちょっと眠くもなりました。

★★★★☆ 4

JUNK HEAD2021/04/03



「JUNK HEAD」TOHOシネマズ日比谷  
遺伝子操作により長寿を得た人類は、その代償に生殖能力を失う。さらに環境汚染やウィルス感染により人口は減少。人類滅亡を止めるカギは、地底世界で独自に進化し、繁殖能力を得た人工生命体にあった。未来を救うために、主人公は地下迷宮へと潜入する……。 
孤高のクリエイター堀貴秀氏が、独学の映画作りで、7年の歳月をかけて制作したストップモーションアニメーション。
SFだけど、アドベンチャー、アクション、コメディ、いろいろな要素がありました。キャラクターやクリーチャーのデザインが良かったです。ハラハラと危機一髪が多かったです。笑いも多いけど、グロテスクでもあります。
クリーチャーはギレルモ・デル・トロ監督の映画に出てきそう。ギーガーの世界にも近い気がしました。日本語ではなく、不思議な言語で、そういう世界がありそうで良かったです。エンドクレジットで、監督がたくさんの声を担当しているのがわかります。ハマる人とハマらない人がいるかもしれないけど、私はとても面白かったです。

★★★★☆ 4+

トムとジェリー2021/03/24


トムとジェリー

「トムとジェリー」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
ニューヨークの高級ホテルに引っ越そうとするネズミのジェリーと、そんなジェリーを相変わらず追いかけるネコのトム。新人ホテルスタッフのケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)が働くそのホテルでは、世界が注目するセレブカップルのウェディングパーティーが行われようとしていたが、トムとジェリーのせいで台無しになってしまう。汚名返上のためタッグを組むことになったトムとジェリーが、もう一度ウェディングパーティーを開こうと奮闘する。
有名なマンガ「トムとジェリー」が実写化と聞いた時は、ネズミはネコに捕まえられていまうと心配しましたが、アニメと実写の合成だったから、大丈夫ですね。
アニメはあえて、昔風の素朴なタッチの絵でしたから、違和感もなかったです。最近はCGで、本物の動物に近いのもできるけど、お馴染みのトムとジェリーだったので、その方が良かったと思います。
想像通り、ドタバタしていて、スピードも速いので、なんだか落ち着きません。映画館だから迫力もあります。重苦しくなく、仕事帰りに気楽に見れて良いと思ったのですが、めまぐるしかったです。映画の出来が悪いわけではないですが、私の好みじゃなかったです。クロエ・グレース・モレッツはかわいいですが、したたかな役をやっていました。

★★★☆☆ 3-