神々の山嶺(いただき)2022/07/14


神々の山嶺

「神々の山嶺(いただき)」 新宿ピカデリー
夢枕獏の小説を谷口ジローが漫画化した山岳コミック「神々の山嶺」を、フランスでアニメーション映画化。
記録上に残るエベレストの初登頂は1953年だが、伝説的なイギリス人登山家のジョージ・マロリーが1924年6月にエベレストの山頂付近で消息を絶っていたことから、「マロリーが初登頂を成し遂げていたのかもしれない」という説もささやかれていた。ある時、取材でネパールのカトマンズを訪れた雑誌カメラマンの深町誠は、長らく消息不明になっていた孤高の登山家・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃する。羽生を見つけ出し、マロリーの謎を突き止めようと考えた深町は、羽生の人生の軌跡を追い始めるが、尋常ならざる執念で危険な山に挑み続ける羽生という男の人間性に次第に魅了されていく。やがて2人の運命は交わり、冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む羽生に、深町も同行することになるが……。
夢枕貘の原作を読んでいて、日本の実写映画は観たので、内容はわかっているのだけど、フランスでアニメ化というのに興味をひかれました。どうせなら、字幕で見たかったけど、やってなかったから、日本語吹替版で観ました。日本人の話だから、逆にフランス語を話した方が違和感あるかもしれませんね。日本のシーンも多いのですが、リアルな絵で日本人から見てもよく描かれています。漢字の看板も間違いがないです。少し昔の日本なので、風景が懐かしいです。公衆電話が並んでいたり、ビデオで画像が粗い映像を見たり、ウォークマンとか。原作本より、マンガから映画化しているのだろうなとうかがえます。どうして危険な山に命をかけて登るのか、まるで魅入られているようです。それはトップクライマー同士なら、共感できる感覚なんだと思います。ストーリーはシンプルに描かれていました。

★★★☆☆ 3+

わたしは最悪。2022/07/13


わたしは最悪。

「わたしは最悪。」 ヒューマントラストシネマ有楽町
30歳のユリヤ(レナーテ・レインスベ)これまでもいくつもの才能を無駄にしてきた彼女は、いまだ人生の方向性が定まらずにいた。年上の恋人アクセルはグラフィックノベル作家として成功し、最近しきりに身を固めたがっている。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、そこで若く魅力的なアイヴィンに出会う。ほどなくしてアクセルと別れ、新しい恋愛に身をゆだねたユリヤは、そこに人生の新たな展望を見いだそうとするが……。
デンマークのヨアキム・トリアー監督作品。ポスターを見て勝手にフランス映画かと思っていたら、北欧の国とフランスの合作。舞台はノルウェーだから、あまり耳慣れない言語でした。若い女性が、仕事や恋愛に悩んだりするけど、斬新な映像で、目新しかったです。マジックマッシュルームを食べて、幻覚を見ると、こんな世界なのかとか。妄想で、街中がストップしているシーンなど、見どころが多いです。ノルウェーの街も素敵でした。

★★★★☆ 4

大人は判ってくれない2022/07/12



「大人は判ってくれない」 角川シネマ有楽町 4Kデジタルリマスター版
家庭にも学校にも居場所がなく、問題を起こしてしまう少年アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオー)。ついには感化院送りに……。
カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、フランソワ・トリュフォー監督を有名にしたヌーヴェル・ヴァーグを代表する作品。
監督の半自伝的な内容になっています。有名な作品なのにちゃんと観た事がなかったので、今回行ってみました。「生誕90周年上映フランソワ・トリュフォーの冒険」でいろいろな作品を上映しています。他にも観たいですが、アントワーヌ・ドワネルのシリーズの中でも、一番初めのなので、今回は観る事にしました。ジャン=ピエール・レオーの少年時代も観て見たかったのです。昔のパリの風景は、こんなだったのか。映像もユニークだし、主人公の表情が良かったです。

★★★★☆ 4-

バズ・ライトイヤー2022/07/09



「バズ・ライトイヤー」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
「トイ・ストーリー」シリーズを通して活躍したおもちゃのバズは、持ち主アンディの大好きな映画の主人公であるスペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーがモデルになっており、本作ではそのアンディが大好きだったいう映画の物語が描かれる。バズ・ライトイヤー(声:クリス・エヴァンス)は有能なスペース・レンジャーだが、自分の力を過信したことで、1200人の乗組員とともに危険な惑星に不時着してしまう。相棒でもある猫型ロボットのソックスとともに、全員を地球に帰還させるためのミッションに挑むバズは、個性豊かな新米のジュニアパトロールたちとの出会いを通して、自らの運命を大きく変えていく。
アニメだけど、実写のような内容になっていて、本格SF映画っぽく撮っています。ネコのロボットソックスは、話し相手になるだけでなく、とても優秀でいろいろ対応できるので、欲しいです。
同じチームというか仲間となっていく脇役キャラがちょっと弱い気がしますが、楽しめました。「トイ・ストーリー」シリーズとは全然違いますけどね。
同性愛的なシーンがダメで、中東やアジアなどで上映禁止になってしまったけど、現代や未来風に作ってあるから、しょうがないような、そんなに目くじら立てることもないのにと思います。お国柄の違いもあるのでしょうね。日本は普通に公開する国である事が、嬉しいです。

★★★★☆ 4

峠 最後のサムライ2022/07/07


峠 最後のサムライ

峠 最後のサムライ」 グランドシネマサンシャイン池袋
徳川慶喜の大政奉還によって、260年余りにも及んだ江戸時代が終焉を迎えた。そんな動乱の時代に、越後長岡藩牧野家家臣・河井継之助(役所広司)は幕府側、官軍側のどちらにも属することなく、越後長岡藩の中立と独立を目指していた。藩の運命をかけた継之助の壮大な信念が、幕末の混沌とした日本を変えようとしていた。
実在の人物河合継之助の41歳の話だとすると、役所広司はちょっと年がいきすぎているますね。ましてや奥様役が若く見える松たか子、ずいぶん年の離れた夫婦だと感じてしまいます。親子役なら納得できます。継之助の両親役は田中泯と香川京子で、ステキでしたけどね。
つまらないわけではなく、こういう志の武士が幕末の混乱期に頑張ったということが伝わってきます。ちょっと言葉が難しいところもあり、わかりにくいところもありました。歴史好きな人には良いのだろうか。
ウクライナ侵攻の現在なので、こういう風に戦さに巻き込まれていく住民や兵士たちの事を思うと辛い気持ちになります。

★★★☆☆ 3

PLAN 752022/07/05


PLAN 75

「PLAN 75」 シネスイッチ銀座
少子高齢化が一層進んだ近未来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れらた。ひとり静かに暮らす78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は、ホテルの客室清掃員として働いていたが、高齢を理由に解雇されてしまう。住む場所も失いそうになった彼女は、「プラン75」の申請を検討し始める。一方、市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)や、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)らは、「プラン75」という制度の在り方に疑問を抱くようになる。
オープニングからちょっとビックリします。前に起きた事件を思い起こさせます。ホテルのベッドメイキングなどをする仕事をしている倍賞千恵子や、他の高齢の仲間たち、ホテルの制服が可愛らしいのに、確かにちょっと働いている人が、年寄り過ぎる感じる。もしかして、そうゆうことを狙って、その制服にしているのかも。
早川千絵監督は、若くて長編デビュー作ながら、なんとも手馴れているのです。ミチの生活する空間の様子など、すごくリアルティがあります。
全体的には暗いのだけど、いろいろ考えさせられるし、とても興味が湧く話で、私はすごい面白かったです。倍賞千恵子とても良いですが、磯村勇斗や河合優実、介護の仕事から、プラン75関係の仕事に転職する、ステファニー・アリアン、それぞれの複雑な感情が巧みに描かれていきます。
もちろんこんな法案のある未来が来たら恐ろしいですし、絶対反対です。プラン75は強制ではないのですが、高齢で孤独な人が、申し込まざるを得ない状況に陥って行きそうで、悲しいです。

★★★★☆ 4+

三姉妹2022/06/22


三姉妹

「三姉妹」 ヒューマントラストシネマ有楽町
ソウルに暮らす三姉妹。花屋を営みながら元夫の借金を返済している長女ヒスク(キム・ソニョン)は、娘に疎まれながらも大丈夫なふりをして毎日をやり過ごしている。高級マンションで家族と暮らす次女ミヨン(ムン・ソリ)は、模範的な信徒として熱心に教会に通い、聖歌隊の指揮者も務めている。そんな彼女の完璧な日常が、次第にほころびを見せはじめる。三女ミオク(チャン・ユンジュ)は劇作家らしいが、酒浸りの日々を送っている。父の誕生日を祝うため久々に集まった三姉妹は、そこで幼少期の心の傷と向き合うことになる……。
三姉妹とも、どこか病んでいます。その病んでいる状態が1人1人違うのですが、見ている方はちょっと辛いです。それぞれの家族にも影響を及ぼしている気がしました。病んでいる原因ば何かはわかるのですけど、気がつくと、涙が出てきました。楽しい話ではないけど、インパクトのある内容です。やはり演技力がすごいのかなぁと思います。希望は見いだせたと感じるけど、どうしようもなかった過去が彼女たちを苦しめています。強烈なキャラクターが多かったです。長女の娘は結構良い子だと思います。

★★★★☆ 4-

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス2022/06/17


ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス

「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」 TOHOシネマズ日比谷
元天才外科医で最強の魔術師ドクター・ストレンジの活躍を描くマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「ドクター・ストレンジ」シリーズ第2作。2016年に公開されたシリーズ第1作以降も、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(18)、「アベンジャーズ エンドゲーム」(19)、そして「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」(21)など一連のMCU作品で活躍してきたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)が、禁断の呪文によって時空を歪ませてしまったことによって直面する、かつてない危機を描く。マルチバースの扉を開いたことで変わりつつある世界を元に戻すため、アベンジャーズ屈指の強大な力を誇るスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)に助けを求めるストレンジ。しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類に迫っていた。その脅威の存在は、ドクター・ストレンジと全く同じ姿をした、もう一人の自分だった。
マルチバースは、難しくなってきて、パラレルワールド的なものと思っています。他の世界に行くと、もう1人の自分がいて、いろいろなベネディクト・カンバーバッチを見ることができます。多くの世界が、違うところは面白いですけど、なんだかまとまりはないです。ワンダは悪役キャラになっていいのか。
久しぶりのサム・ライミ監督だし、一応観ておこうかなと思って、上映ギリギリになってしまいました。SFなんだけど、ゾンビもののような話でした。映像はきれいだけど、アニメみたいな、現実味がどんどんなくなってきました。マーベルシリーズは次々と繰り出されていくので、どこまで観ようかと悩んでしまいます。
「ドクター・ストレンジ」は前作の方が面白かったかなぁ。
ドクター・ストレンジの元恋人役は、レイチェル・マクアダムス、相変わらず可愛いらしいです。新しく登場したアメリカ・チャベス役でソーチー・ゴメスは、まだこれから話があるのかなぁ。

★★★☆☆ 3

トップガン マーヴェリック2022/06/11


トップガン マーヴェリック

「トップガン マーヴェリック」 TOHOシネマズ日比谷
トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編。アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリック(トム・クルーズ)が教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースター(マイルズ・テラー)の姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。
ヒロインは今回は前作とは変わって、ジェニファー・コネリーが出ていました。アイスマンを演じたヴァル・キルマーも出演しています。
話もよくできているし、楽しめました。前作とのつながり方が巧みです。
映画館が賑わっていた時代の、正しい娯楽作品という感じがしました。どこか懐かしいけど、先進的でスカッとする映画になっています。大きいスクリーンで観た方が面白いですよと、声を大にして言いたいです。前作で、マーヴェリックの相棒だったグースの息子は「セッション」のマイルズ・テラー、親子らしく似た雰囲気がありました。恋愛のシーンは、そんなになくても良い気がしましたけど、デートで観る映画でもピッタリな気がします。でもどちらかと言えば、男性に人気がありそうです。前作を観たのはずいぶん前で、復習もしていなかったけど、観ているといろいろ思い出してきました。ちょっと映像も使われているので、わかりやすくなっています。映画はこうあるべきというお手本のようでした。

★★★★☆ 4

君を想い、バスに乗る2022/06/09


君を想い、バスに乗る

君を想い、バスに乗る」 シネスイッチ銀座
最愛の妻に先立たれた老人がイギリス縦断の旅に出る姿を描いたヒューマンドラマ。
愛する妻メアリーを亡くしたばかりのトム・ハーパー(ティモシー・スポール)は、かつてメアリーと出会った場所を訪れるため、ローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の旅に出ることを決める。50年暮らした家のあるスコットランド最北端の村離れ、イギリス最南端の岬ランズ・エンドを目指して、様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、トムは妻と交わしたある約束を胸に旅を続ける。
主演のティモシー・スポールは、意地悪な役とか、脇役というイメージでしたが、この映画ではヨロヨロと歩くおじいちゃんを演じています。実年齢よりもお年寄りの役だと思います。歩くことが大変そうなので、見ている方はハラハラします。泥棒やヘンな人に絡まれたりしないのか、もちろんそういうトラブルもあるけど、助けてくれる良い人たちもいるし、彼が逆に人を助けながら、バスで旅を続けるロード・ムービーです。
そんな様子を本人は知らないうちにSNSで発信されたりしています。風景はのどかなのですが、いかにも現代の映画です。
トム夫妻の過去のシーンが挿入されているのですが、美男美女でした。自然にコラージュされていて、過去がわかるようになっています。とてもよくできていて、面白い映画でした。彼らがスコットランドへやってきて生活している事や、イギリス最南端の岬ランズ・エンドを目指す理由がだんだんわかってきます。
深い愛が描かれています。良かったです。
原題は“The Last Bus”だそうですが、邦題もなかなか良いですね。

★★★★☆ 4+