成瀬は天下を取りにいく2023/10/22



「成瀬は天下を取りにいく」 宮島 未奈・著 新潮社
始まりは中2の夏休み。幼馴染の成瀬は閉店を控える西武大津店に毎日通うという。ローカルのテレビ情報番組の中継に映るのが目的なのか。更にはM-1に挑むため、相方になって欲しいと言ったり、実験の為、坊主頭になったり。
成瀬はマイペースで、他人からどう見えているか気にしない、変わった人でした。成績は優秀で、たくさんの特技があります。そんな成瀬の事を敬っている同じマンションに住む島崎が主人公なのかと思ったら、語り手はいろいろ変わっていきます。成瀬に関わる他の人だったり、一見違う話かと思っても、成瀬につながっていたりします。成瀬の話し方が独特で、女の子なのに朴訥な男の子みたいと感じました。他の人から浮いているせいで、仲間はずれになっている時もあるけど、全く気にしてないのです。独自の道を行っています。舞台は滋賀県で、地域愛に溢れる内容でした。他の地域とは違っている独特の文化があります。あとM-1目指して漫才を作るのですが、なかなか1回戦突破するのは、難しいのです。私には十分面白いと思いました。
進学や友情、他校の人との交流など、青春小説なのかもしれないけど、他の青春小説とは一味違って面白かったです。構成も良かったです。