リボルバー2023/10/08



「リボルバー」 原田 マハ・著 幻冬舎文庫
パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついたリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。持ち主は女性で、なぜ彼女の元に?真贋は?調べを進めるうちに、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。
少し前にゴッホが自殺に使ったとされるリボルバーが、オークションにかけられたというニュースがあったけど、あれをもとに話を考えたのだろうか。原田マハさんは「たゆたえども沈まず」でもゴッホの話を書いていたけど、またどんなゴッホが、描かれているのだろうかと興味深かったです。ゴッホの最期は謎のまま、自殺かどうかもよくわからないのでは。この本の内容もありうるかもしれないと思わせます。主にゴッホとゴーギャンの関係についてでした。ゴーギャンがゴッホの事をどう思っていたのかが印象に残りました。ゴッホの独特の絵が先を行き過ぎている事も理解しています。ゴッホの絵は、未来永劫、忘れさられる事もなく、人気を博していくのだろうなと思います。もちろんゴーギャンも素晴らしいです。どちらかと言えばゴーギャンの事がわかる本でした。ライバルがいて、影響を受けて進化していくという事もあります。この本の主人公・冴も、親友がサザビーズ・ニューヨークで働いていて、影響を与え合っているかなと思います。

ロスト・キング 500年越しの運命2023/10/08



「ロスト・キング 500年越しの運命」 TOHOシネマズシャンテ
フィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンス)は職場で理不尽な評価を受けていた。ある日、息子の付き添いでシェイクスピア劇「リチャード三世」を鑑賞した彼女は、悪名高きリチャード3世も、実際の姿とは別に不当に扱われてきたのではないかと疑問を抱き、歴史研究にのめり込んでいく。リチャード3世の遺骨は近くの川に投げ込まれたと長らく考えられてきたが、フィリッパは彼の汚名をそそぐべく遺骨探しを開始する。
500年にわたり行方不明だった英国王リチャード3世の遺骨発見の立役者となった女性の実話をもとにしています。
調査にのめり込んだフィリッパには、リチャード3世の姿が見えていて、語り合うような演出になっています。幻覚が見える危ない人にも思えるけど、それが面白いなと思いました。彼女は2人の子どもがいて、スティーブ・クーガン演じる別居中の夫と協力して面倒をみています。その夫婦の関係も良かったです。なんといっても主人公を演じるサリー・ホーキンスの取り憑かれた様に情熱を注いでいくのが合っていました。
結末に近いあたりが、実話に近いのかもしれないけど、モヤモヤしました。彼女の功績がすごい事なのに、やはり正当な評価を得るのには時間がかかるようです。スコットランドのエディンバラ、綺麗な街でした。

★★★★☆ 4-