君はひとりじゃない2017/06/21

君はひとりじゃない
「君はひとりじゃない」 東宝東和試写室(試写会)
検察官の父と摂食障害の娘・オルガは、母が亡くなって以来2人暮らし。父と娘には大きな溝ができている。心を病んで、日に日にやせていく娘の状態を見かねた父は病院へ連れて行く。そこでセラピスト・アナによる療法を受ける…。
ポーランド映画で、2015年・第65回ベルリン映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞しています。
セラピーを受けて、格段に改善されたという話でもなくて、前半は父娘の抱える問題が少しづつ明らかになっていきます。かなり重苦しい感じもしました。おそらく家族の中心であった母親が亡くなって、それぞれに傷ついていて、うまく歩み寄って行くことができなくなっているのだと思います。父親は仕事で、悲惨な事件を日々目にしています。死に何も感じなくなっているように見える無神経な父を、娘は許せない気持ちなんです。セラピーの様子が独特で、ガリガリに痩せている摂食障害の患者たちの、心の中に抱えている問題や叫びを表層化させようとします。優秀なセラピストと感じますが、それだけじゃなく、彼女は霊媒師でもあるのです。霊能者というのかな。亡くなった人からのメッセージを受け取ることができるのです。にわかには信じられないですが、アナに出会ったことによって、父と娘の関係に変化が訪れるのです。それは予想とは違う方法でしたけど。
カメラアングルが面白かったです。食べ物は必ず真上から撮影されているシーンがあります。他にも商品や人物を真上から撮った撮っていることが多かったです。

★★★★☆ 4-