映画と恋とウディ・アレン2012/11/26

映画と恋とウディ・アレン
「映画と恋とウディ・アレン」を観てきました。
映画監督のウディ・アレンは、ジョークを提供するギャグ・ライターとして10代にデビュー。スタンダップ・コメディアンとして、60年代に活躍。映画に関わるようになって、今では年に1本くらいの割で映画を撮っている。
ドキュメンタリーです。監督は当然ながらウディ・アレンではないので、観に行くかどうか悩んでいたのですが、誘われて行ってみたら、とても面白かったです。
元はコメディアンだったとは知りませんでした。幼少時の写真も出てきて、彼の母や妹が語り、かつての恋人や映画の出演者たちが取材に答えてウディ・アレンの足跡をたどっていきます。それがとてもわかりやすくて、映画の主題や考え方、デビュー当時のマネジャーなども、今でも一緒に仕事をしていたり、友人も多くて人間性がうかがえます。
ウディ・アレンの名前も本名ではないのですね。学生だった彼は学校の友達に言われるのが恥ずかしくて、違う名前で仕事をしていたようです。驚いたのは16歳の時に買ったタイプライターを76歳の現在でも、愛用していること。コピーやペーストができないけど、修正する時は切り貼りして、いろいろな原稿を自分で打っています。ずっと大切に使い続けているということが、好感が持てました。
かつての恋人のダイアン・キートンは、彼女の方の一目惚れで、なんとかウディを落とそうと頑張ったとか。昔の恋人や元妻とも良好な関係でいるところも彼の人柄なのかなと思ったりしました。しかし、ミア・ファローだけは違います。そりゃあそうだろうけど、当時のことも、出てきました。その時にも映画を撮っていたし、その苦悩の状況の時に、この映画を撮っていたとか、わかりました。彼の演技指導の方法はそんなに細かく言わないで、役者にまかせるところが多いみたいです。

私の好きなウディ・アレン作品は何かなぁ。キャラクターがいいので出演もしているのが好きかもしれません。
「おいしい生活」「さよなら、さよならハリウッド」「世界中がアイ・ラブ・ユー」「タロットカード殺人事件」とかね。初期作品はコンプレックスが全面に出ていて、神経質にしゃべり続ける作品が多いような気がして、あんまり好きじゃなかったんです。哲学的で難しかった印象もあります。最近の作品の方が私は好きです。「ミッドナイト・イン・パリ」も面白かったです。
映画のタイプは違うけど、コメディアン出身で、監督も脚本も俳優として出演もするという点では、北野武も同じですね。チャップリンにも通じるところがあるかもしれません。

★★★★☆

百瀬、こっちを向いて。2012/11/26

百瀬、こっちを向いて。
「百瀬、こっちを向いて。」 中田 永一・著 祥伝社文庫
かっこいい先輩やきれいな人のレベルが90だとしたら、教室の中で薄暗い電球のよう存在の僕は人間レベル2。そんな僕が美少女の百瀬陽とつきあうことに。しかし、実際はつきあっているフリを頼まれるのだが…。
せつない恋愛小説集。4つの話はどれも繊細で興味をひきます。「吉祥寺の朝日奈くん」がかなり気に入ったので、この本も読んでみました。どの話も短いけど、面白くて読みやすいです。特に「小梅が通る」という話が私は好きで、美少女なんだけど、それを隠してわざと地味にしている女の子の話。