聖地には蜘蛛が巣を張る2023/04/28


聖地には蜘蛛が巣を張る

聖地には蜘蛛が巣を張る」 TOHOシネマズシャンテ
2000年代初頭。イランの聖地マシュハドで、娼婦を標的にした連続殺人事件が発生した。「スパイダー・キラー」と呼ばれる殺人者は「街を浄化する」という声明のもと犯行を繰り返し、住民たちは震撼するが、一部の人々はそんな犯人を英雄視する。真相を追う女性ジャーナリストのラヒミ(ザーラ・アミール・エブラヒミ)は、事件を覆い隠そうとする不穏な圧力にさらされながらも、危険を顧みず取材にのめり込んでいく。そして遂に犯人の正体にたどりついた彼女は、家族と暮らす平凡な男の心に潜んだ狂気を目の当たりにする。
舞台はイラン、実際にあった事件をベースにしています。女性が虐げられている恐ろしい話でした。国が違うと言っても、考え方の違いに驚きました。事件の被害者もそうですが、話の中心となる記者の女性に対する他者の態度が、女性軽視を感じます。犯人は、家庭を大切にする普通のお父さんなのですが、やはり病んでいる気がしました。被害者の表情などを撮っているから、怖かったし辛いです。
「ボーダー 二つの世界」のアリ・アッバシ監督ですが、舞台となる国も違うので、イメージが違っていました。どちらかと言うと「ボーダー 二つの世界」の方が好きですが、今作も興味深い映画でした。タイトルがちょっと長いです。現代はホーリー・スパイダーでした。

★★★★☆ 4