シング・フォー・ミー、ライル ― 2023/04/01
「シング・フォー・ミー、ライル」 TOHOシネマズ日本橋 字幕
ニューヨークの古びたペットショップを訪れたショーマンのヘクター(ハビエル・バルデム)は、奇跡のような歌声を持つ小さなワニのライルと出会う。ヘクターはライルを相棒にしようとするが、ライルのステージ恐怖症が判明すると、ヘクターはライルを残して去ってしまう。それから長い月日が経ったある日、ライルが隠れ住む家に少年と家族が引っ越してくる。傷つき歌うことをやめていたライルは少年との出会いをきっかけに再び歌い出し、歌を通して少年と心を通わせていく。
ワニのライルはCGなんでしょうが、違和感なく馴染んでいました。そこで思い出すのはパディントンの映画に雰囲気が似ているなぁと思いました。ライルの歌声はショーン・メンデスで素晴らしかったです。設定が、歌は歌えるのにしゃぶれないワニって?とは思うけど、児童文学だし、そういうのもありか。名優ハビエル・バルデムがヘクターを演じ、いつものシブい雰囲気とは違い明るく踊ったり、歌ったり、こちらも上手でした。「長ぐつをはいたネコと9つの命」のアントニオ・バンデラスといい、スペイン人は歌手じゃなくても、音感が良いのか?
無理やりなストーリーとも思えるけど、絵本を読んでいるような気分で観る事ができました。
★★★★☆ 4-
特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 ― 2023/04/02
「特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来」 南原 詠・著 宝島社文庫
特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた凄腕の弁理士・大鳳未来。現在は「特許権侵害を警告された企業を守る」ことを専門にし東奔西走している。今回のクライアントは、映像技術の特許権侵害を警告され、活動休止を迫られる人気VTuber・天ノ川トリィ。調べるうちにさまざまな企業の思惑が絡んでいることに気づいた未来は、トリィを守るため、いちかばちかの賭けに出る……。2022年『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
専門用語のような難しい話も多いのに、どんどん読めてしまう面白さでした。作者は違うけど「元彼の遺言状」を思い出す人が多いんじゃないかな。弁護士の新川帆立さんが書いているから、リアルティがあります。「特許やぶりの女王」も作者の南原詠さんは弁理士の方なので、その世界をよく知って描いています。
VTuberの会社に頼まれて仕事をするのが主な内容でしたけど、その世界のことも、ちょうど今はやっているし、面白かったです。とても美しくて、生意気なVTuberが出てきます。歌もダンスも上手く、運動神経バツグン、上から目線で文句を言ってくるけれど、主人公の未来はひるむことなく、デキる女性でした。
この本もテレビドラマになりそうな気がします。
ブルターニュの光と風 ― 2023/04/03
「ブルターニュの光と風」 SOMPO美術館
フランス北西部のブルターニュ、豊かな自然と独自の文化を持っています。ブルターニュに魅了された多くの画家の作品を紹介しています。海が近いので、海の絵が多かったですが、自然の風景も良かったです。漁師や、魚加工工場で働く女性たち。伝統的な衣装も新鮮です。印象派の絵画もありました。
ポスターになっている絵はアルフレッド・ギユの《さらば!》です。船乗りの親子で、船が座礁してしまい、息絶えたまだ若い息子に、別れのキスをしているらしいです。私は助けようとして、人工呼吸をしているのかと思ったのですが、悲しい状況でした。
こちらは、ビルの外にある撮影スポット、実物の絵は、もっと小さかったです。
豆の上で眠る ― 2023/04/04
「豆の上で眠る」 湊 かなえ・著 新潮文庫
小学校1年生の時、結衣子の2歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、2年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。姉は、あなたは本物なのか。
タイトルはアンデルセン童話の「えんどうまめの上にねたおひめさま」から来ているようです。姉妹の思い出でもあり、内容にも関係づけています。
小さい頃の話、姉がいなくなった頃、その後に家族が必死に探す様子と、大人になっている結衣子が、疑いを抱き続けているのが、順番に語られます。大人になった頃は、姉が帰って来ている事はわかりますが、まだ詳しい事ははわかりません。読者としてはどのように姉が帰って来たのか、なかなかわからず、ミステリアスでした。だんだんと経過がわかってきます。更に最後に明かされる真実があります。それを知ってもなんだかスッキリしなかったです。両親の対応にも疑問を感じました。
生きる LIVING ― 2023/04/06
「生きる LIVING」 TOHOシネマズ日比谷
1953年、第2次世界大戦後のロンドン。仕事一筋に生きてきた公務員ウィリアムズ(ビル・ナイ)は、自分の人生を空虚で無意味なものと感じていた。そんなある日、彼は医師から余命半年と宣告される。ウィリアムズは、仕事を放棄し、海辺のリゾート地で酒を飲んで馬鹿騒ぎするも満たされない。ロンドンへ戻った彼はかつての部下マーガレットと再会し、バイタリティに溢れる彼女と過ごす中で、自分がすべきことを考える。
黒澤明監督の「生きる」を、カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたそうで、期待していました。黒澤明のは観ていないですが、予告映像などで、ブランコに乗っているシーンしか知りませんでした。
「生きる LIVING」は、とても良かったです。すごい出来事があるというわけでもないのですが、気がつくと涙が出てきていました。さりげないセリフばかりなんだけど、素晴らしいです。静かな映画なのに、心揺さぶられました。警察官の会話も良かったです。
ビル・ナイも好きなんおで、主役で嬉しいです。役所勤めの主人公、時代は1950年代、みんな帽子をかぶって、長い傘を持って、いかにも紳士です。会社勤めの人に刺さるのか、年齢的なものなのか、私は共感もしましたし、生きることの意義を考えさせられました。この時代のフォートナム&メイソンは、私の知っているのとは、違っていました。
★★★★☆ 4+
ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り ― 2023/04/07
「ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り」 TOHOシネマズ日比谷
1974年にテーブルトークRPGとして発売され、世界初のロールプレイングゲームとしても知られる「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を新たに映画化したアクションファンタジー。
さまざまな種族やモンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガン(クリス・パイン)と相棒の戦士ホルガ(ミシェル・ロドリゲス)は、ある目的のために旅に出る。これまでにもさまざまな修羅場をくぐり抜けてきた彼らだったが、今回の冒険は一筋縄ではいきそうにない。そこで、魔法使いサイモンとドルイドのドリック、聖騎士のゼンクを仲間に加え、パーティを組む。ダンジョンに立ちはだかる困難や手ごわい敵の数々、そして高難度のクエストを乗り越えていくうちに、彼らは全世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙することになる。
時間の都合でIMAXで観たので、迫力がありました。スクリーンが大きい上に動きが速いから、ついていくのが大変でした。音響も良かったです。
異世界の大冒険、魔法使いやいろいろな動物に変身する女性や、腕力が強く武闘派こちらも女性。主人公は計画を立てるけど、それほど秀でた能力はあったのかな。でも、楽しい映画でした。結末も想像できるけど、期待通りに行くのも気持ち良いのです。まぁ、無理矢理なところも多々あるけど、映画館で気楽に観れる娯楽アドベンチャーでした。ドラゴンもいくつか出てきたけど、おデブなドラゴンもいて、イメージは違っていました。ヒュー・グラントは、ずる賢い役でしたが、そういう胡散臭いオヤジがあっていました。
★★★★☆ 4
天ぷらそば ― 2023/04/08
モノレールで天王洲アイル駅へ。“香灯庵”で、天ぷらそばを食べました。昔よりおそばが好きになりました。
ウェス・アンダーソンすぎる風景展 ― 2023/04/09
「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」 寺田倉庫G1ビル(東京・天王洲)「ムーンライズ・キングダム」や「グランド・ブダペスト・ホテル」など、独特の世界観や構図、色合いで、オシャレな映画を撮るウェス・アンダーソン監督。
もともとはNY在住のワリー&アマンダ夫妻が開設したInstagramですが、現在は世界の実在の風景からウェス・アンダーソンの映画に出てきそうな場所を撮影し投稿する人気Instagramコミュニティとなったそうです。
ウェス・アンダーソンの芸術的な側面、特に風景がクローズアップされた写真展でした。世界中の風景だから、旅行気分も味わえるし、監督の事を知らない人でも楽しめます。
写真は、ほんの一部です。日本の風景もあります。ファンにとってはなるほどっと感じる写真ばかりでした。
寺田倉庫は初めて行きました。かなり広いし、作品が多いので、見応えありました。展示の仕方も良かったです。
ティラミス ― 2023/04/10
天王洲の寺田倉庫の近くで、一休み。“WHAT CAFE(ワットカフェ)”で、ティラミスとカフェラテ、友人はファンダンショコラ。アートカフェで、ギャラリーを兼ねていますが、この日は展示はしていませんでした。
食事メニューもあったので、また行ってみたいです。寺田倉庫でいろいろな展示がこれからもありそうです。
明治美術狂想曲 ― 2023/04/11
「明治美術狂想曲」 静嘉堂@丸の内
江戸幕府が倒れ、西洋文明が流入した明治時代は、美術という言葉が誕生したそうです。博覧会が開催され、美術館が初めて設置されました。静嘉堂のコレクションの中でも、この時代のものを紹介しています。油彩画、日本画、繊細な細工の工芸品などを鑑賞しました。
国宝の曜変天目も出品していました。何度見ても美しいです。
黒田清輝の「婦人裸体像」は、発表当時は、裸の絵がまだ受け入れられない時代だったそうです。風紀を乱すと言う理由で、展示する時に下半分を布で隠されたそうです。腰巻事件と呼ばれているそうです。その時の写真もありました。
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