京都祇園もも吉庵のあまから帖 ― 2022/09/11
「京都祇園もも吉庵のあまから帖 」 志賀内 泰弘・著 PHP文芸文庫
元芸妓のもも吉は、わけあって今は祇園で甘味処「もも吉庵」を営んでいる。一見さんお断り、メニューは「麩もちぜんざい」のみの小さな店だ。
そんな店を訪れるのは、舞妓になるために15歳で祇園へやってきた少女、妻を亡くして一人で京都を旅する中年男性等、様々な悩みを抱えた人たちへのもも吉の言葉は、ときに辛口だが、彼らの心を解きほぐしていく。
冒頭に登場したのは、もも吉の娘で、もと人気芸妓で、タクシー運転手に転身した美都子。こっちが主人公なのかと思ったら、母と娘2人が中心になっています。2人がいるから、話が膨らんでいくと感じました。
京都祇園ならではの生活、行事など、とても興味深いです。京ことばも素敵に響きます。悩みを持つ人、困っている人が、もも吉庵を訪れては、胸のうちを聞いてもらい、何かしらの答えをみつけていきます。ハートウォーミングな話ばかりで、ほんわかしました。
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