カフェ・ド・フロール2015/04/24

カフェ・ド・フロール
「カフェ・ド・フロール」 ヒューマントラストシネマ有楽町
1969年のパリ。障害を抱えた息子ローランを育てるシングルマザーのジャクリーヌ(バネッサ・パラディ)。彼女にとってローランは唯一の生きがいで、パリの片隅で片寄せあって暮らしている。一方、現代のモントリオールに暮らすアントワーヌ(ケビン・パラン)は、2人の娘と若い恋人がいて、恵まれた生活をしている。しかし別れた妻のキャロル(エレーヌ・フローラン)は傷心の日々を過ごしている。
2つの話が並行して描かれるのだが、現代の方は数年前の話や、若い頃の話なども挿入されているので、ちょっと複雑です。人間関係がわからず、どうしてこういう状況になったかが、初めはわかりにくいのですが、過去の出来事を見て、だんだん理解していきます。
音楽がかっこよくて、映像がいろいろ切り替わるところが、映像のコラージュ風なんです。やがて観客もこの2つの物語の関係性がわかってくると、しっくりと馴染んでいきます。愛情を寄せるものが、他の対称に目が移っていくのが、なんとも辛い話でした。特に私は妻のキャロルに共感してしまいました。辛いところもあるのだけど、とても芸術的な映画でした。
1960年代のパリの様子や、アントワーヌが世界で活躍するDJなので、ロンドンやバルセロナなどにも行って、風景も良かったです。
ジャン=マルク・バレ監督ですが、「ダラス・バイヤーズクラブ」とは印象が違っていました。

★★★★☆ 4