CLIMAX クライマックス2019/11/11


CLIMAX クライマックス

「CLIMAX クライマックス」 ヒューマントラストシネマ渋谷
1996年のある夜、人里離れた建物に集まった22人のダンサーたち。有名振付家の呼びかけで選ばれた彼らは、アメリカ公演のための最終リハーサルをおこなっていた。激しいリハーサルを終えて、ダンサーたちの打ち上げパーティがスタートする。大きなボールに注がれたサングリアを浴びるように飲みながら、爆音で流れる音楽に身をゆだねるダンサーたち。しかし、サングリアに何者かが混入したLSDの効果により、ダンサーたちは次第にトランス状態へと堕ちていく。
フランスの鬼才ギャスパー・ノエが、ドラッグと酒でトランス状態になったダンサーたちの狂乱の一夜を描いた異色作。
冒頭近くにダンサーたちのインタビューのようなシーンがあって、その時はまだ油断して見ています。だって、ほとんどが初めて見る人ばかりだし、これからどんな内容が始まるのかわかっていないから。後になると、その時に話していた内容が、興味深いことだったと気がつきます。
そして、独創的でスタイリッシュなダンス。これがまたすごくて、音楽もテンポがよくて圧倒されます。しかし、その後の打ち上げで、様相が変わっていきます。気持ち悪いとも思うのだけど、どうなるのかと目が離せません。ちょっと怖い内容で、ホラーのようにも感じます。楽しいことはダンスのすごさ以外はないのですけど、数日たってもグルグルと思い出しています。予告映像も、繰り返し見ています。
ギャスパー・ノエ監督は中毒性があります。私が見たのは最近の3作だけなのですが、ひきこまれます。この監督でしか描かれない唯一無二の映像世界なのです。しかし、人にはすすめにくいのです。

★★★★☆ 4+