潮鳴り2015/09/06

潮鳴り
「潮鳴り」 葉室 麟・著 祥伝社
かつて俊英と謳われた豊後・羽根藩の伊吹櫂蔵は、役目をしくじりお役御免、“襤褸蔵(ぼろぞう)”と呼ばれ漁師小屋で貧乏な暮らしをしていた。ある日、家督を相続した腹違いの弟が切腹。藩の借銀にまつわることに責任をとったという。なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の事件を調べ始める…。
陰謀に巻き込まれた弟の無念を晴らすこともそうですが、一度落ちた花を再び咲かせようとする主人公・櫂蔵に感動しました。弟の汚名をそそぎ、一度堕ちた女・お芳を蘇らせたいと願うのです。酒を断ち、真摯に努力していきます。とても厳しかった義母とお芳との関わりも良かったです。最後は涙で字がぼやけてきました。

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