世界でいちばん透きとおった物語2024/03/13



「世界でいちばん透きとおった物語」 杉井 光 新潮文庫
大御所ミステリー作家が死去した。妻帯者ながら、複数の女性と交際し、そのうちの一人には子どもをなしていた。主人公はその子どもである僕。生前の父とは会った事もなかったのに、初めて会った正妻の息子から、親父が死ぬ間際までに書いていたらしい「世界でいちばん透きとおった物語」と言う小説の遺稿探しを手伝わされることに……。
ミステリー作家が遺したミステリーを追っていく話で、今までになり仕掛けがありました。最後まで読むとそう言う事かと、つい前を見返してしまいます。主人公と同じで、わからない事だらけで、父親がどういう人だったのか、何を書いたのか、どんな小説だったのかと、興味を惹かれました。一緒に探している気分になります。でも父親に良い印象がない主人公だから、否定的でした。