麒麟の翼2011/11/01

麒麟の翼
「麒麟の翼」 東野圭吾・著 講談社
日本橋の翼のある麒麟像の下で男性が倒れた。警察官が近づいてみると、胸にナイフがささっており、その後、死亡が確認された。一方、近くで若い男が逃走しようとして、交通事故にあい、意識不明となる。その男・八島は日本橋で倒れた被害者の持ち物を所持していた。調査が進むにつれ、被害者と八島の接点が明らかになっていくのだが、果たして真実は…。
加賀刑事シリーズですが、このシリーズは読むのはじめてです。「新参者」のドラマでなんとなくは知っています。そのせいか阿部寛を想像して読んでしまいました。
加賀刑事と、従弟にあたる松宮刑事がコンビを組んで、この事件の真相を追いかけます。前半は刑事たち同様、読者も疑問だらけで、事件の内容を想像しながら、てさぐりで見ているような状態です。加賀刑事たちの、粘り強い調査で、少しづつ明らかになっていく被害者や容疑者の真の姿。バラバラのパズルのピースがつながっていくラストに向かって、どんどんスピードアップしていきます。いかにもミステリーって感じの楽しさです。
日本橋は彫刻が凝っていて、美しい橋です。本の表紙や見返しに麒麟像が出ています。麒麟だけじゃなく、両端には獅子もいるんですけどね。この本を読んで見学者も増えそうですね。