滔々と紅2022/05/11


滔々と紅

「滔々と紅(とうとうとべに)」 志坂 圭・著 ディスカヴァー文庫
天保8年、飢饉の村から9歳の少女、駒乃が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた女性の人生。
読みやすくて、面白かったです。吉原の話だと、苦しい事ばかりかと思いきや、語り口が明るいのです。もちろん辛い事も起きます。主人公が気概があるので、逆境にもめげないのです。嫌なことは嫌というから、いろいろ問題も起こします。主人公になつく利発な禿(かむろ)なつめとの話は、映像が浮かんできます。吉原のしくみもわかりやすく解説されていました。

コメント

トラックバック