最初の人間2012/12/26

最初に人間
「最初の人間」を観てきました。
1957年、作家のコルムリは故郷のアルジェリアを訪れる。フランス領のこの地は独立をめぐって激しい紛争が起こっていた。父は若くして戦死し、貧しいながら苦労して彼を育ててくれた母に会いに行く。いつしか幼き日の自分の姿が去来する。厳格な祖母、文学の道にいざなってくれた恩師、コルムリのルーツが浮かび上がる…。
アルベール・カミュの未完の遺作「最初の人間」を映画化。自伝的な内容です。だからこそ興味深いです。戦後最年少でノーベル文学賞を受賞したカミュですが、幼少期に父が亡くなっていて、不自由な子ども時代を過ごす。家族は誰も文字が読めないという家のようで、学校を卒業したら、幼くして工場で働き始める予定だったが、先生の勧めで奨学金を受けて進学できるようになったようです。アルジェリアという国のことを名前しか知らなかったなぁと思いました。
主演のジャック・ガンブランが好きなんで、観に行きました。彼の子ども時代を演じる男の子もとても良かった。かわいいだけじゃなく、リンとした雰囲気がありました。
民族間でもめないで、共存する社会、暴力による解決を否定したカミュの想いも伝わってきます。映画のラストは唐突に終わってしまったような気もします。

★★★★☆