本日公休2024/09/27



「本日公休」 シネスイッチ銀座
台中にある昔ながらの理髪店。女手ひとつで育て上げた子ども達も既に独立。店主アールイ(ルー・シャオフェン)は、常連客を相手にハサミの音を響かせる。夢枕に立った亡き妻に言われたと白髪染めにやって来た老人、流行りのヘアスタイルにしたい思春期の少年など。ある日、離れた町から通ってくれていた常連客の“先生”が、病の床に伏したことを知ったアールイは、店に「本日公休」の札を掲げて、散髪の為にその町に向かう。
台湾映画。フー・ティエンユー監督が、自身の母親をモデルに書き上げたシナリオだそうです。ロケ地も監督の実家の理髪店。古き良き時代の素敵なお店でした。子どもたちを想う母、好きなように生きたい若い世代。子どもは3人で息子1人、娘2人。美容師の娘は離婚しているが、元夫が、何かとアールイさんを気遣ってくれています。遠い町へ車で出かける事になると、ちょっとだけロードムービー風になりました。理髪の技が、アールイを助けます。常に真面目に丁寧に仕事をしてきた事が伝わります。時間はあっという間に過ぎるものよ、みたいな事を何度か言いますが、若い人には実感がないかもしれないけど、ある程度の年齢になると、そうだなぁと感じます。すごい大事件は起きないけど、心温まるしみじみとした映画でした。

★★★★☆ 4+

侍タイムスリッパー2024/09/22



「侍タイムスリッパー」 TOHOシネマズ日比谷
幕末の京都、会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は、長州藩士を討つため、刀を交えた瞬間、落雷が!気がついたらら、現代の時代劇撮影所にいた。わけもわからないまま、先々で騒動をお越しながら、人情味ある人たちに助けられる。江戸幕府が140年前に滅んだ事を知り、愕然とする。やがて彼は磨き上げた剣の腕を頼りに、斬られ役として撮影に参加するようなる……。
初めは都内では1館で公開していた映画が、口コミで人気を博していき、拡大公開になったのは、「カメラを止めるな!」の様なムーブメント。期待して見に行ったが、期待に違わず面白かったです。周囲の人は本物の侍とは思わずに、普段からちょんまげを結って、熱心に役作りをしているエキストラの人と思っていたりして、そんなに大ごとにならずに、受け入れられていました。記憶喪失の人と信じてる住職夫婦には、家に住まわせてもらって、大事に扱ってもらいます。カルチャーギャップに笑いが漏れるし、武士の矜持に苦しむ事もあります。近頃は廃れつつある時代劇にも、スポットが当てていて、話もよくできていました。侍が現代にタイムスリップして、斬られ役になるだけではない、展開でした。主人公の会津なまりの武士らしい言葉遣いが良かったです。

★★★★☆ 4+

ぼくのお日さま2024/09/16



「ぼくのお日さま」TOHOシネマズシャンテ
雪の降る田舎町。ホッケーが苦手な吃音の少年タクヤ(越山敬達)は、フィギュアスケート練習中の少女さくら(中西希亜良)に心奪われる。自分でもホッケー靴のまま、フィギュアスケートの真似をして、何度も転んでいる。それを見ていたフィギュアコーチの荒川(池松壮亮)は、フィギュア用のスケート靴を貸して練習につきあうようになる。やがて荒川の提案で、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習を始める事になる。タクヤはまだ拙かったが、何度も練習し、なんとか揃って北野だが……。
ひと冬の話で、多分北海道だと思いますが、とても美しい雪景色でした。映像美の連続です。柔らかい光に包まれたスケート場で滑る2人、室外の自然の中のスケートリンクに行くのも、良かったです。みんなが楽しそうで、一番盛り上がったところかな。ひたむきな少年と少女、それを見守るコーチ、楽しいだけではなく、喜びと苦味がありました。さくらは顔も美しいけど、スケートの動きがきれいでレベル高いです。タクヤと、その仲の良い友達も天使のようなピュアさ。池松壮亮と若葉竜也がまた光ります。奥山大史監督の前作「僕はイエス様が嫌い」も良かったけど、今作も気に入りました。

★★★★★ 5-

熱烈2024/09/13



「熱烈」 TOHOシネマズ日比谷
中国・杭州で活躍するダンスチーム「感嘆符!」カリスマダンサーのケビンは、練習に参加せず、わがまま放題。ケビンの代役としてかつてオーディションを受けた陳爍(ワン・イーボー)を引き入れ、全国大会目指して練習に励む。仲間たちとの絆を築いていくが、数々の試練が降りかかる。
チームでブレイキンをするプロ集団。かつて一世風靡したコーチ(ホアン・ボー)が指導している。全国大会で優勝して名声を得たいが、スポンサーでもある金持ちのケビンに気をつかっている。陳爍は努力を重ね、代役でも良いし、大会に出れなくても、練習を続けたいと考えている。とても謙虚な人。たくさんの仕事をし、家計を支え、合間に練習している。
ダンスバトルが、迫力がありました。観客も近いし、ライバル同士もすぐ近くで踊る事があるので、ぶつからないか、心配してしまいます。身体全体を使ってグルグル回るし、片手だけで、身体を支えてピタッと静止するし、みんなすごい身体能力があります。ダンスだけでも面白かったです。主役のワン・イーボーは、「無名」の時とは、全然違っていて、ダンスが素晴らしかったです。ライバルとなるケビンもカッコ良かったです。家族愛や、恋愛模様も入れ込んでいるけど、基本はスポ根ものでした。中国アニメ映画「ライオン少年」に近いと思いました。「ベスト・キット」にも通じます。王道ストーリーです。でも、最後の技は、ちょっと想像と違ったけど、全体的には楽しく熱い映画でした。

★★★★☆ 4+

フォールガイ2024/09/02



「フォールガイ」 TOHOシネマズ日本橋
大怪我を負い一線から退いていたスタントマンのコルト(ライアン・ゴズリング)、元カノのジュディ(エミリー・ブラント)が、監督を務める作品で、スタントに復帰する。しかし、主演俳優のトム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)が失踪。探すのを頼まれたコルトは思わぬ事件に巻き込まれていく。スタントのスキルを駆使して、切り抜けられるか。
スタントマン出身のデビット・リーチ監督作品。ド派手なスタントがいっぱいあるから、大きなスクリーンで観ると迫力がありました。ライアン・ゴズリングもカッコよかったです。「キック・アス」のアーロンも出ているから、観たかったのです。アーロンはクズ野郎な役でしたが、満足です。話は、まぁ想像通りに進んで、期待を裏切らない良さがあります。恋愛や、悪役は、ちょっと粗っぽいですが、ハリウッドらしい楽しい映画にまとめています。映画ネタも多くて、映画愛に満ちています。最後に撮影風景もあって、撮影の裏側も見せてくれます。

★★★★☆ 4

きみの色2024/08/31



「きみの色」 TOHOシネマズ日本橋
ミッションスクールで寮生活をおくるトツ子は、うれしい色、楽しい色、穏やかな色など、幼いころから人が「色」として見える。同じ学校で美しい色を放つ少女・きみ、古書店で出会った音楽好きの少年ルイの3人でひょんな事からバンドを組むことに。離島の古い教会を練習場所に、それぞれが悩みを抱えながらも、音楽を通じて、友情が育まれていく。
中心となるトツ子が、ほんわかした子なので、映画もゆったり、ふんわりしていました。色が見えるというのは、オーラのようなものかなぁと思います。きみちゃんの色にとても惹かれて、きみちゃんの色と、君の色がかかっているのかなぁ。それぞれに悩み、しがらみを抱えているけど、バンドの練習はとても楽しく、青春だなぁと思いました。説明不足に思う事もあり、全体的にスローテンポでした。一人だけ男の子ですが、馴染んでいて、バンドでは活躍してくれます。音楽はテクノっぽかったです。女子だけのミッションスクールも、こんな感じなのかなぁと興味深かったです。

★★★☆☆ 3+

キングダム 大将軍の帰還2024/08/16



「キングダム 大将軍の帰還」TOHOシネマズ日本橋
春秋戦国時代の中国。馬陽の戦いで、隣国の敵将を討った信(山崎賢人)たちだったが、真の総大将・ほう煖(吉川晃司)が現れる。部隊は破滅的な痛手を追い、致命傷を負った信を背負って、仲間たちは決死の脱出劇を試みる。戦局を見守っていた総大将・王騎(大沢たかお)は、ほう煖の背後に、天才軍師・李牧(小栗旬)の存在を感じ取っていた。
シリーズ第4弾。今作は王騎が中心の話でした。秘めた過去や、ほう煖との因縁など。前作後半に出てきた吉川晃司と小栗旬の役柄が、わかりました。
冒頭からバトルシーンが多くて、一難去ってまた一難と、いろいろな人の戦いがありました。亡くなる人もいました。戦いは、スピード感があり、大きなスクリーンで観ると迫力がありました。

★★★★☆ 4

インサイド・ヘッド22024/08/08



「インサイド・ヘッド2」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
「インサイド・ヘッド」の続編。
少女ライリーを子どもの頃から見守ってきた感情たち。ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ。転校先で友達もできて、幸せな日々をおくっていたライリー。しかし、高校入学を控え、人生の転機を迎えると、新しい感情たちが現れる。最悪な未来を想像してしまうシンパイ、誰かを羨むイイナー、退屈、無気力なダリィ、いつもモジモジして恥ずかしがっているハズカシ。思春期特有、大人になるための新しい感情たちだ。
考えが合わず、対立してしまい、ヨロコビ達は、司令室から追い出されしまう。ライリーのために、何がベストなのか、感情たちは奮闘する。
思春期から遠ざかっている大人が観ても、なかなか楽しめました。多くの経験や思い出が、その人らしさを作っていく事が、わかります。成功も失敗も大切な経験です。ライリーの優しい人柄が損なわないように、ヨロコビたちは、感情の世界を冒険していきます。ハラハラして、緊迫感もありました。前作はあまり面白いとは思わなかったけど、今作の方が良かったです。

★★★★☆ 4

怪盗グルーのミニオン超変身2024/08/05



「怪盗グルーのミニオン超変身」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
高校の同窓会に出席したグルー。同級生でライバルだったマキシム・ル・マルと再会。過去と現在のいざこざから、マキシムはグルーに強い恨みを抱いていて、復讐を企てようとする。命を狙われたグルー一家は、安全のために町の隠れ家に移り住み、名前を変えて生活することになる。しかし、グルーの正体を知った隣りの少女ポピーによって、更なるトラブルに巻き込まれていく。
グルー夫妻と新しく生まれた息子。3姉妹たちにそれぞれの話もあり、ミニオンは人体改造?で、いかついメガミニオンに変身。能力が違うヒーローものみたいになってました。コメディタッチで、ドタバタと展開し、楽しく鑑賞できました。怪盗グルーシリーズの過去作品に出てきた登場人物も多数出てきました。主に敵役たち。
グルーJr.が可愛かったし、家族も良い雰囲気でうまくいっている感じがしました。たくさんいるミニオンは、はちゃめちゃだけど、Jr.の面倒もみてくれて、家にいたら、助かります。

★★★★☆ 4

デッドプール&ウルヴァリン2024/07/31



「デッドプール&ウルヴァリン」TOHOシネマズ日比谷
人体実験で不死身の肉体を手に入れたウェイド(ライアン・レイノルズ)。日本刀と拳銃を武器にデッドプールと名乗ってアクロバティックな戦闘を続けてきた型破りな無責任ヒーロー。そんな彼が世界の命運をかけたミッションに挑む事になり、助けを求めたのは、ウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)。しかし、ウルヴァリンはやる気を失っていた。
下品でエゲつないデッドプールですが、他のヒーローものにない、はちゃめちゃさに、ファンが多いです。R指定だから、テレビ放送もあまりしないだろうし、映画館へ行かないと。X-NENシリーズも好きなので、ずっと観ていました。ライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンが仲が良いから、実現したのかも。話的にも無理やりウルヴァリンが復活してました。マーベル映画はマルチバースの世界が中心になっていて、たくさんの世界や、同じ人物が存在してしまって、私はだんだんついていけなくなってきています。音楽や華麗なアクション、ダンス?殺戮、かなりガチャガチャしているようやな思いました。前半は長く感じました。デッドプールの1作目が一番面白かったかな。

★★★★☆ 4