風のマジム ― 2025/01/24

「風のマジム」 原田 マハ 講談社文庫
伊庭まじむは、通信会社アイコムの派遣社員として働く28歳、自分が何をすべきか判らず漠然と日々を送っていた。彼女の運命を変えたのは社内ベンチャー募集の告知。まじむは郷土沖縄のさとうきびでラム酒を造るという事業を提案する。困難にぶつかりながらも、情熱を持って取り組んでいくと、周囲の人を巻き込んで、助けられて、夢に向かっていく。
沖縄の言葉を交えて、ほっこりと温かい話でした。特におばあが、厳しくも、的確な叱咤をして、まじむを揺り動かしていきます。沖縄の素晴らしい資源を生かし、自信を持ったものを造りだしたい。自分もそれを飲みたいし、他の人にも飲ませたい。さとうきびの畑の上を吹き渡る風を感じる良い本でした。お酒が苦手な人でもラム酒が飲みたくなるでしょう。驚いたことに、作者の原田マハさん自身は下戸とあとがきに書いておられました。美味しそうにお酒を飲むシーンが多いから、意外でした。
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