キノ・ライカ 小さな町の映画館2024/12/17



「キノ・ライカ 小さな町の映画館」ユーロスペース
フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督と共同経営者のミカ・ラッティが、地元のカルッキラという町に映画館を作るドキュメンタリー。カルッキラは人口9000人の小さな町。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳造工場がある。その元工場の一角に、仲間と共に手作りの映画館を作る様子を追っていくのと、住民たちの映画館への期待をする話などを聞いていきます。
監督はアキ・カウリスマキではなく、クロアチア出身ヴェリコ・ヴィダク監督。映像がまるで、アキ監督の作品のようでした。
驚いたのは、そのカルッキラに日本人の篠原敏武さんという方が住んでいて、映画に出て住民とチェスをしていたり、挿入歌を歌っていて、日本語の歌がたくさん流れるのです。主にフィンランドの歌を日本語にして歌っているようだけど、独特の雰囲気で良いのです。アキ監督の「ラヴィ・ド・ボエーム」のエンディングで日本の歌「雪の降る町を」が流れてるのだけど、この人が歌っていたのかと、すぐにわかりました。カルッキアで暮らす人々の日常や、アキ監督の映画の裏話も聞けて、楽しかったです。映画館の名前のライカは、アキ監督の愛犬の名前で、過去の映画に出演しています。映画館はクラシックな雰囲気で、映画にも出てきたような内装です。ヘルシンキにアキ監督が作った映画館やレストランがあると聞いた事があるので、そこを紹介する映画かと思っていたら、ヘルシンキの映画館は事情により、閉館したそうで、新たに作る映画館の話でした。盟友ジム・ジャームッシュ監督も出ていて、アキ監督との思い出を語ります。「枯れ葉」に出演していた女性デュオの2人も出ていました。また歌を聞きたかったな。ドキュメンタリーというより、小さな町の、小さな物語みたいでした。

★★★★☆ 4


実際のキノ・ライカで売られているグッズが展示されていました。毛糸、ポストカード、メモ帳など。ポップコーンだけは販売していましたが、他は非売品でした。フィンランドのカルッキラに行かないと買えないのですね。