鹿殺し はぐれ又兵衛例繰控九 ― 2024/08/09
「鹿殺し はぐれ又兵衛例繰控九」 坂岡 真 双葉文庫
花火で賑わう大川端で薬種問屋の主の屍骸。妻らと花火見物に繰り出した又兵衛は、喉に鹿の角が刺さった異様な死に不審を抱き、殺しの真相を追いはじめる。その途上、遠い奈良の地で起きていた大量の鹿殺しと、町方も知らぬ凶賊が暗躍している事実が判明する。
シリーズ第9弾。寺社から宝物がたくさん盗まれ、阿弥陀如来像や、菩薩など、それを返してもらうために、身代金を払ったり、複雑な事件が絡んでいました。死体に鹿の角を刺す、奈良では聖なる動物と言われている鹿を殺すなど、寺社のご本尊を盗み出すのも合わせて、どれも罰が当たりそうと思ってしまいます。又兵衛は自分の得にもならない事件を、綿密に追いかけます。どの話も、見事に解決して、面白かったです。
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