工場のおばちゃん あしたの朝子 ― 2023/01/26

「工場のおばちゃん あしたの朝子」 山口 恵以子・著 実業之日本社文庫
千葉・館山の老舗旅館の娘・朝子は、失恋をきっかけに新宿へ。ウエイトレスをやりながら声優を目指すも、突然、下町の鋏工場へ嫁ぐことになる。舅との確執、夫の不倫、愛人との闘いなど、困難を乗り越えて、強く、楽しく、笑顔で生きていく。集団就職、初めてのテレビ、東京オリンピック他、昭和の世相や風俗を鮮やかに描く、著者の自伝的要素がある小説。
主人公は著者の母親がモデルです。その娘も出てきますが、それが著者のようです。世以子という名前で、食べる事が大好きで、お絵描きをよくしていたらしいです。昭和30年代、40年代の話が多いです。お風呂屋さんに行ったり、家にお手伝いさんがいたりしました。結婚前は呼び出し電話とか、世相が面白いのです。主人公の叔母さんにはかなり助けられています。気難しいお舅さんと同居だけど、本当の父親のように接して、絆が深まっていました。なんだかんだ面白い人生、不思議な転がり方をしています。特別ではないのでしょうが、飽きないしノリが良くて楽しかったです。うちの母とは境遇は違えども、時代的には似ていると思います。
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