闇と光-清親・安治・柳村(前期)2022/11/17



「闇と光-清親・安治・柳村(前期)」 太田記念美術館
今から約150年前の明治9年(1876)、小林清親(1847~1915)は、西洋からもたらされた油彩画や石版画、写真などの表現を、木版画である浮世絵に取り込むことによって、これまでにはない東京の風景を描きました。真っ暗な夜の街に輝くガス灯の光や、鮮やかな赤い色に染まった夕焼けの空など、光や影のうつろいを巧みに捉えた清親の「光線画」は大いに流行し、井上安治(1864~89)や小倉柳村(生没年不明)といった絵師たちも後に続きます。光線画の流行はわずか5年ほどという短い期間で去りますが、木版画の新しい可能性を切り開くものでした。近年注目される、大正から昭和の「新版画」の先駆けとも位置付けられています。
この展覧会は、小林清親を中心に、これまで紹介される機会の少なかった井上安治と小倉柳村が描いた光線画を展示しています。


夜を描いた絵が好きです。現代と違って東京でもかなり暗い風景ですが、とても味わい深いです。
東京を中心に各地の絵があり、昔はこんなだったのかと忍ばせます。その風景を見るのがとても楽しかったです。夜だけじゃなく、夕暮れや、雨、雪の風景がありました。
井上安治は、小林清親の門人だったそうですが、26歳という若さで夭折したそうです。小倉柳村は、正体不明の謎の絵師で、9点の作品しか確認されていないのです。ポスターになっている絵は小倉柳村の《湯嶋之景》です。
前期と後期で展示替えするので、後期も行きたいです。