髪追い 古道具屋皆塵堂2022/08/27


髪追い

「髪追い 古道具屋皆塵堂」  輪渡 颯介・著 講談社文庫
遊び人として、ふらふらしていた茂蔵が、巳之助の弟分におさまり、小間物屋・大黒屋で真面目に働いている。その茂蔵が花見の後、酔った勢いで祠の戸を開けて、紐で固く結ばれていた箱を開けてしまう。箱の中にあったのは女の長い髪。するすると伸びて、茂蔵の足に触れたとたん、大音響が響き渡った。逃げるように立ち去った茂蔵は、翌朝、帳場の観音像が真っ二つに割れているのを見つける。観音像が身代わりになってくれたのか。幽霊が見える太一郎によると、「封じ込めている」ものを茂蔵が開けてしまったらしい。祠の場所には昔、30年前に焼け落ちた履物問屋備前屋の寮があった。今の主の徳五郎によると、先代はかなり悪辣で、借金漬けにして潰した下田屋から寮を強奪したらしい。下田屋の亭主は行方知れず、一人娘も病で失ったお此という不幸なおかみさんが失意の末に自害して、長い髪を残したというのだ。茂蔵が開けてしまったのは、備前屋が封印したお此の髪だった。この世に怨みを残すお此を太一郎や茂蔵は救えるのか? 
シリーズ第9弾。怨みを残した女性の復讐を追いかけていく内容でした。その髪の入った箱を追いかけるので「髪追い」なのか。その間は茂蔵が皆塵堂で寝起きし、皆で手分けして探します。皆塵堂の店主は、いつも仕事をせずに、釣りに行ってしまうが、やはりどこかただ者ではない雰囲気を出しています。小僧の峰吉も成長しているように感じました。
これはまた話は続くように思いました。皆塵堂で難を逃れた過去の人たちも増えていくし、巳之助が把握している町の猫たちが、どんどん増えていました。巳之助は猫が大好きなのに、猫には避けられているところがおかしいです。何か問題を抱えている人が皆塵堂に来て、なんやかんやあって、危機を脱していくから、今回の茂蔵も、皆塵堂へ来るのだけど、皆塵堂へ必ずしも来なくても良いような気がしました。

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