ベイビー・ブローカー2022/07/19


ベイビー・ブローカー

「ベイビー・ブローカー」 TOHOシネマズ日比谷
クリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)には、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があった。ある雨の晩、2人は若い女ソヨン(イ・ウジン)が赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。しかし、翌日戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状する。「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジン(ペ・ドゥナ)とイ(イ・ジュヨン)は、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追うが……。
カンヌ国際映画祭では、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞。
赤ちゃんを売るため、養父母をみつけるためのロード・ムービーですが、いつの間にか疑似家族のようになっていきます。このまま、みんなで育てられたら良いのにと思いながら、見守ります。犯罪の話なのにどこかほのぼのとした雰囲気がありました。中心となるソン・ガンホのおかげだと思うのだけど、途中からこの旅に加わる男の子も良い味を出していました。
そういうえば「万引家族」も、疑似家族の話でしたし、是枝監督は家族の話が多いイメージです。しかし、ちょっと異色だった「空気人形」が、私は大好きなんですが、その主役だったペ・ドゥナが刑事役で出ていて、嬉しく思いました。
赤ちゃんポストは韓国にもあるのですね。映画の最後の方は、ちょっとわかりにくいところがありますが、それぞれの想像にまかせるということもあるのでしょうか。意図した通りに伝わっているのか心配になります。あまり多くを語り過ぎないのも監督の作風なのかもしれません。私はとても良かったです。テーマも、韓国映画的なところも、韓国と日本の良いところが出ているような気がします。

★★★★☆ 4+

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