PLAN 75 ― 2022/07/05
「PLAN 75」 シネスイッチ銀座
少子高齢化が一層進んだ近未来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れらた。ひとり静かに暮らす78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は、ホテルの客室清掃員として働いていたが、高齢を理由に解雇されてしまう。住む場所も失いそうになった彼女は、「プラン75」の申請を検討し始める。一方、市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)や、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)らは、「プラン75」という制度の在り方に疑問を抱くようになる。
オープニングからちょっとビックリします。前に起きた事件を思い起こさせます。ホテルのベッドメイキングなどをする仕事をしている倍賞千恵子や、他の高齢の仲間たち、ホテルの制服が可愛らしいのに、確かにちょっと働いている人が、年寄り過ぎる感じる。もしかして、そうゆうことを狙って、その制服にしているのかも。
早川千絵監督は、若くて長編デビュー作ながら、なんとも手馴れているのです。ミチの生活する空間の様子など、すごくリアルティがあります。
全体的には暗いのだけど、いろいろ考えさせられるし、とても興味が湧く話で、私はすごい面白かったです。倍賞千恵子とても良いですが、磯村勇斗や河合優実、介護の仕事から、プラン75関係の仕事に転職する、ステファニー・アリアン、それぞれの複雑な感情が巧みに描かれていきます。
もちろんこんな法案のある未来が来たら恐ろしいですし、絶対反対です。プラン75は強制ではないのですが、高齢で孤独な人が、申し込まざるを得ない状況に陥って行きそうで、悲しいです。
★★★★☆ 4+
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