ラプラスの魔女2022/04/10



「ラプラスの魔女」 東野 圭吾・著 角川文庫
ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。2か月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒事故が起こる。ふたりの被害者に共通点はあるのか。調査のため青江が現地を訪れると、またも例の彼女がそこにいた。困惑する青江の前で、彼女は次々と不思議な“力”を発揮し始める。
映画にもなっているが、映画は観ていないのです。映像が思い浮かんでくるから、映画も面白いのだろうなと思いました。特に円華と言う若い女性が見せる不思議な現象に、興味ひかれます。天候が予測できるのは、良いように思えるのだが、これを読むと良い事ばかりではないのだろうと感じます。どんどん疑問が浮かんでくるけど、後半になるとミステリーが紐解かれていき、楽しく読めました。

アネット2022/04/11



「アネット」 角川シネマ有楽町
人気スタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)と有名オペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)は、大恋愛の末に結婚。2人の間にはアネットが誕生する。理想的なセレブカップルの2人だったが、ヘンリーは次第に嫉妬や猜疑心に悩まされていく……。
「ポンヌフの恋人」などのレオス・カラックス監督のロック・オペラ・ミュージカル。2021年・第74回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。

すみません。ちょっとネタバレになるかもしれないので、予備知識なしで観たい方は後で読んでください。
オープニングが素晴らしいです。音楽担当のスパークスや、監督や娘さんも出てきて、みんなが歌いながら、街へ出て進んで行きます。
ラブラブな2人の様子が、ちょっと長く続きますが、だんだん不吉な予感がしてきます。ちょっとホラーっぽいかもしれません。アネットが人形なので、驚きますが、よくできていて「ほんとうのピノッキオ」のピノッキオみたいでした。
日本人俳優も出ているとは知らなかったので、古舘寛治が、出てきて時も驚きました。歌ってもいました。水原希子に似てる人も出ていると思ったら、本人でした。ミュージカルと言ってもかなり異色なんです。シュールな世界で、面白かったです。自分勝手な男の話な気もするのだけど、アダム・ドライバー、カッコ良かったです。エンディングも和気あいあいとしていて、映画を制作しているチームが結束しているのが、伝わってきます。

★★★★☆ 4+

牡蠣と蛤の白醤油soba2022/04/12



また銀座の“篝(かがり)”へ。季節の限定品、牡蠣と蛤の白醤油sobaを食べました。牡蠣も蛤も美味しいし、スープも上品なお味、タケノコなどものっていました。小皿には柚子と生姜、鶏肉の上に柚子胡椒、いろいろな味の変化が楽しめます。


濃厚チーズケーキとアイスコーヒー2022/04/13



葛西駅の方、環七沿いにある“ドトール珈琲農場”へ。普通のドトールとは違うのか、よくわからないけど、パスタやオムライスなど、食べ物メニューがいっぱいありました。チーズケーキは濃厚で美味しかったです。


天井が高く、割と広かったです。

ふたつの部屋、ふたりの暮らし2022/04/14


ふたつの部屋、ふたりの暮らし

「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」 シネスイッチ銀座
南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマン。最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナ(バルバラ・スコバ)とマドレーヌ(マルティーヌ・シュバリエ)は世間的には仲の良い隣人だが、実際は長年愛し合う恋人同士だった。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立、家族との思い出の品に囲まれながら穏やかに過ごしている。2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を立てていたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられずにいた。そんな中、マドレーヌを悲劇が襲う……。
ちょっとネタバレしています。
ニナはずっと独身、マドレーヌは孫もいます。脳卒中でマドレーヌが動けなくなり、声も出せない、引き離されそうになったニナは合い鍵を使って、家に忍び込んだりする。介護士はいぶかり、後に娘さんに2人の関係が知られてしまい、余計に反対されるのです。ほとんどマドレーヌの部屋で、同棲生活を送っている感じだったけど、なかなか会わせてもらえなくなり、夜に家に忍び込んでしまうので、見ている方はハラハラします。マドレーヌは話せなくても、意思は通じているし、少しずつ体を動かせるようになってくるのだけど、急に外へ行ってしまったりします。まだそんなに動ける状態じゃないのに、やや遠くへ行くのが、無理がありました。倒れる前は幸せに暮らしていたのに、家族ではないから面倒をみさせてもくれないのです。娘さんも、母の恋人が女性だということを認められないのです。不自由な体で、2人はどういう道を選ぶのか、それが知りたくて映画を観たのですが、中途半端な気がして、モヤモヤしました。

★★★★☆ 4-

梅灯り 橋廻り同心・平七郎控82022/04/15



「梅灯り 橋廻り同心・平七郎控8」 藤原 緋沙子・著 祥伝社文庫
シリーズ第8弾。やっと半分くらいです。
「夢の中でおっかさんに会ったんだ」幼い頃、母親に捨てられた少年僧・珍念が橋廻り同心立花平七郎に嬉しそうに話した。夢で再現された母との最後の場所。梅の香が漂う橋の上だったと言う。二百数十ある橋を一つ一つ、梅の香をたよりに巡り歩く珍念。だが、折しも殺しが発生、珍念が行方知れずに……。
珍念は、前に他の話に出てきたみなしご少年。家に来ないかという話もあったのだけど、母との再会を夢見て、1人で托鉢などの施しを受けて、古寺で暮らしています。性格が良いのか、人に助けられることもあるけど、幼い少年が1人で生きていくのは、難しいです。いつもお腹を空かせているのだと思います。成長した姿でまた出てきたら良いなと思います。
他に喧嘩が原因で、お店の陶器を割ってしまった男が、平七郎たちも手伝って逃げた相手を探すと、思わぬ事件が明らかになると言う話など3編。橋回りの仕事の合間に、ボランティアで事件を追っている主人公たちです。

ハケンアニメ!2022/04/16


ハケンアニメ!

「ハケンアニメ!」 丸の内東映(試写会)
地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳(吉岡里帆)は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴(中村倫也)と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理(柄本佑)や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。
原作は辻村深月。監督は、自身も劇場長編監督としては2作目の新人監督に近い吉野耕平。
アニメ業界で奮闘する人々の胸アツお仕事ムービーでした。業界の関りが独特で、わかりにくい気もしましたけど、映画は面白かったです。
新人監督ゆえ、ベテランスタッフ達に囲まれて、時に小さくなって仕事をしている主人公だけど、強い意志と本人の成長で、チームワークがよくなっていったと思います。監督となると強い意志が必要だと思いますし、プロデューサーも重要な仕事だと言うことがわかります。
出てくる2つのアニメーションは美しい絵でした。声優陣も本格的でした。瞳の方の作品は、ちょっとエヴァンゲリオン風で、他にもいくつかのアニメをミックスしたような雰囲気でした。
エンドロールの後に映像があるので、最後まで席を立たないで、お待ちください。

★★★★☆ 4-


完成披露上映会で鑑賞させていただきました。左から吉野耕平監督、尾野真知子、吉岡里帆、中村倫也、原作者の辻村深月。出演者達のチームワークも良さそうでした。なにより原作者が映画の出来に満足しているのが、伝わってきました。

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密2022/04/17



「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」 TOHOシネマズ日比谷
ファンタスティック・ビーストシリーズ第3弾。
魔法動物を愛する魔法使いニュート(エディ・レッドメイン)は、恩師のダンブルドア(ジュード・ロウ)と仲間たちとともに、史上最悪の黒い魔法使いグリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)に立ち向かい、その中でダンブルドアと彼の一族に隠された秘密が明らかになる。
映画が始まると、あっという間に魔法ワールドに魅了されます。動物たちがかわいいし、スピード感ある魔法アクションが楽しめます。
ハリー・ポッターシリーズも良いけど、ファンタビは、ちょっと大人向けです。ニュートと良い感じになっている女性は、今回はほとんど出て来なかったけど、他の人々が活躍しました。ニュートの兄テセウス役のカラム・ターナーは「さよなら、僕のマンハッタン」で気に入りました。前作よりたくさん出てきて嬉しかったです。グリンデルバルドが、事情によりジョニー・デップから、マッツ・ミケルセンに変わったのは、残念です。ジョニー・デップが演じていたら、どんなだったかなぁと想像しました。マッツ・ミケルセンも大好きですが、タイプが違うから、前作との繋がりに違和感はあります。ホグワーツ城やホグズミード村がたくさん出てきました。若きマクゴナガル先生や、スニッチ、必要の部屋など、ハリー・ポッターシリーズを思い出す繋がりが嬉しいです。

★★★★☆ 4+

魔力の胎動2022/04/18



「魔力の胎動」 東野 圭吾・著 角川文庫
成績不振に苦しむスポーツ選手、息子が水難事故で植物状態になって苦しむ教師、同性愛への周囲の偏見で、恋人を失ってしまったと悩む音楽家。鍼灸師として、悩める人の相談を受ける工藤ナユタの前に物理現象を予測する不思議な少女円華(まどか)が現れる。話を聞いた円華の行動と助言により、彼らは光を取り戻していく。
「ラプラスの魔女」につながるストーリー。「ラプラスの魔女」より後に出版されていますが、過去の話でした。どちらから読むか自由ですが、「ラプラスの魔女」を読んでいるからわかると言う事もありました。特に最後の話は、登場人物が急に変わるように感じると思います。
短編形式で、円華が悩みを解決するのに一役買ってくれます。不思議な能力だけでなく、現象を調べに行って検証する事が多く、ナユタが毎度手伝わされます。いろいろな繋がりが明らかになって、面白かったです。