火花散る おいち不思議がたり42021/12/20


火花散る

「火花散る おいち不思議がたり」 あさの あつこ・著 PHP文庫
不思議な能力を持つ娘おいちは、父・松庵のような医師になるべく、努力を重ねていた。そんなおいちの前に突然現われ、赤子を産み落として姿を消した女が殺される。その女の、聞こえるはずのない叫びを聞いたおいちは、岡っ引・仙五朗らと力をあわせ、下手人探しをするのだが…。
少し間があいてしまったけど、シリーズ第4弾。
不思議な能力というのは、霊感に近いのかな、説明が難しいけど、危険を察知したり、関係する人の過去が見えたりするのだけど、コントロールするのは難しく不意に体験するような感じです。それで何かを解決してくというわけでもないのですが、人の強い気持ちや想いなどを知ることができたり、隠していることが何かあるのではと、感じるのです。
おいちは、お年頃なので、結婚とかは、どうなるのかな。思い合っていそうな人はいるけど、なかなか進みません。仕事も忙しいし、医師になる事の方が大切なのかもしれませんが、近くで父の手伝いもできるなら、結婚しても良さそうです。今回は、お家騒動に巻き込まれてしまった女性が、産んだ子どもを守るために、身を賭して、その想いを受けて、おいちが悩みながら行動します。岡っ引の仙五朗は、おいちの能力を理解しているようです。父ももちろん理解していて、優しく見守っています。女の医者がほとんどいなかった時代、おいちが、どのように成長していくのか、知りたいです。