狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南2021/11/08


狐憑きの娘

「狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南」 輪渡 颯介・著 講談社文庫
川辺で侍の屍体が忽然と消え、目撃した子どもが次々と死んだ。一方、手習塾の師匠・良峻は狐憑きと噂される娘の弓枝と、夜中にうろつく怪しい人影に悩まされている。相談を受けた酒と怪異が好きな左門は、剣術師範候補の甚十郎に見張りを手伝わせるが、甚十郎はひどい怖がりで侍の霊に怯えている。さらに狐憑きと噂される弓枝と縁談話が持ち上がる……。
シリーズ第4弾にして、完結編。幽霊なのか、人の仕業なのか、怪談話が中心のシリーズなのに、なぜかほのぼのとした雰囲気が良いです。1巻目が読みにくかったけど、話に繋がりがありました。
時代物推理小説で、左門がなんでもお見通しなのです。まさにシャーロック・ホームズのような人です。作者の次の作品、古道具屋皆塵堂シリーズにも共通しているところもあります。怖くないのは良いですが、この話では子どもが亡くなっているのが、残念な気もしました。