ひょうたん2021/09/07


ひょうたん

「ひょうたん」 宇江佐 真理・著 光文社文庫
本書五間堀にある古道具屋・鳳来堂。借金をこさえ店を潰しそうになった音松と、将来を誓った手代に捨てられたお鈴の二人が、縁あって所帯をもち、立て直した古道具屋だった。ある日、橋から身を投げようとした男を音松が拾ってきた。親方に盾突いて、男は店を飛び出してきたようなのだが…(表題作)。
江戸人情もの。鳳来堂に何かと持ち込まれる物が、話のモチーフになっています。主人公は、ごく普通のご夫婦、むしろ頼りない旦那さん。しっかり者の奥さんと言う感じかな。儲け度外しで、気前が良すぎるところもあります。音松は、幼なじみの仲間とずっと仲が良くて、しょっちゅう音松の家に集まっては、お鈴の心づくしの料理を肴にお酒を楽しみます。古道具屋の店の前で、七輪を出して、煮たり焼いたり、道ゆく人の胃袋をくすぐっています。仲間の1人は料理茶屋を営んでいて、旬の食べ物を持って来てくれたりします。その友人さえも、お鈴の料理を楽しみにやって来ます。何と言う事もない家庭料理ですが、とっても美味しそうです。稲荷寿司、味噌田楽、昆布だしで煮た大根、味噌おにぎりなどなど、さりげなく出てくるけど、料理を振る舞う事で、お鈴の人柄が現れています。話も良かったけど、料理が印象に残る本でした。

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