大奥づとめ よろずおつとめ申し候2021/09/04


大奥づとめ よろずおつとめ申し候

「大奥づとめ よろずおつとめ申し候」 永井 紗耶子・著 新潮文庫
上様の寵愛こそすべて、とは考えなかった女性たちがいた。大奥の多種多様な職場に勤めた「お清」の女中たち。努力と才覚で仕事に励む彼女たちにも、人知れず悩みはあって…。里に帰れぬ事情がある文書係の女、お洒落が苦手なのに衣装係になった女、大柄というだけで生き辛い女、負けるわけにはいかぬが口癖の女。今に通じる女性たちの姿をいきいきと描く斬新な江戸のお仕事小説。
読みやすくて、とても面白かったです。大奥にはこのような仕事があるのかと興味深いですし、そこで悩みながらも成長していく女性たちが、生き方のお手本のように思いました。時代は違えでも、そういう風に考えていけば良いのかと、参考になると思います。女性の身分が低かった時代だと思いますが、大奥ならば、自分の裁量によって、出世することもできるのだと思いました。上様の目にとまることがすべてではないし、大奥で学んで、世間に戻っていく人もいて、箔がつくというか、ランクアップができているように思いました。女性たちの世界、友情もあるし、主従関係ができて、学ぶことが多いと思いました。

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