荒野の古本屋2021/05/21




「荒野の古本屋」 森岡 督行・著 小学館文庫
前代未聞の「一冊の本だけを売る書店」として、国内はもとより海外からの注目も集める銀座・森岡書店。そんな型破りな店の誕生前夜の物語。散歩と読書三昧の青年が神田神保町の老舗古書店に飛び込み、波乱の修業時代を経て、個性的な古書店を開業、成功させるまでを描く。
文章がスラスラと入ってきて、面白く読めました。本を外国に仕入れに行って、時間制限ある中で、奮闘するところや、古書店を開いてから、万引きされた本を取り戻そうとするところなど、どうなるのかとハラハラします。
著者は古い建築物が好きで、家や店の建物と出会い、縁が人生を変えて行きます。人との縁も、この人の魅力とセンスの良さが仕事につながっていきます。好きな事を突き詰めていって、とても勉強していますが、誰もやっていなかった個性的な仕事をしていると思いました。古本の街、神保町へ行きたくなります。