ブータン 山の教室2021/05/02



「ブータン 山の教室」 岩波ホール
若手教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)は、ブータンの秘境、ルナナにある学校へ行くように言われる。教師を辞めてオーストラリアに行ってミュージシャンになりたいと思っているウゲンは、渋々ルナナに行く事になる。1週間以上かけて辿り着いたその地には、真っ直ぐな瞳で彼を待つ子どもたちがいた……。
可愛らしいポスター写真とは違って、主人公はブータンの都会に住むやる気のない若者。スマホをいじったり、ゲームをしたりする今時の男の子でした。大変な山道を超えて着いた先は、アルプスの少女が住んでいるような、標高4880メートル、物資も乏しいブータンの中でも秘境の地です。自然を敬い素朴に暮らす村人たち。子どもたちは学ぶことに、好奇心いっぱいです。写真の委員長ペンザムちゃん、とてもかわいかったです。世界一幸福度が高い国でも、外国に行きたい人もいるのだなぁと思いました。教師に向いてないし、やる気がなかったウゲンも、子どもたちや村人たちとの関わりの中で、変わっていきます。ドキュメンタリーのように、本場の生活を映しつつ、何もないけど、幸せなのではないかと、豊かさの意味を考えさせられます。ちょっと「神去なあなあ日常」を思い出しました。
話の流れは、もうちょい押した展開が欲しい気もしますが、ルナナへ行く前と行った後のウゲンは、大きく変わったのだと感じました。

★★★★☆ 4