夏時間2021/03/10


夏時間

「夏時間」 ユーロスペース
父親の仕事がうまくいかず、母が出ていってしまった。10代の少女オクジュ(チェ・ジョンウン)と弟ドンジュ(パク・スンジュン)は、父と共に、祖父の家に引っ越して来る。弟はすぐに新しい環境に馴染むが、オクジュはどこか居心地の悪さを感じる。さらに叔母もやって来るが、問題を抱えているようで、一緒に暮らすことに。それはオクジュにとって、自分と家族との在り方を初めて意識するひと夏の始まりだった。
祖父はおとなしい人で、体調を崩しているが、孫たちを温かく見守っています。庭のある家で、野菜や果物などを育てていて、古いけど日当たりも良い広い家だと思います。少女オクジュは、この年齢特有かもしれませんが、ぶっきらぼうで、弟には、ちょっと厳しいと感じるところもあります。でも弟のキャラクターが良いです。とても自然で、よくこういう弟がいそうな感じがします。複雑になってしまった状況に、とまどったり、反抗したり、思春期の少女の目を通して、家族の物語を紡いでいます。父の方も妹とのやりとりで、こちらの兄妹の関係が描かれています。
特別な物語はないものの、どこか懐かしく、姉弟の生活をもっと見ていたくなるような気分でした。これからの成長も気になります。

★★★★☆ 4

キンキーブーツ2021/03/12


キンキーブーツ

「キンキーブーツ」 東劇
実話を基にしたイギリスの同名映画をミュージカルとして舞台化したもの。日本版舞台も好評だったそうですそうですが、ブロードウェイのオリジナルを映画館で楽しめるブロードウェイシネマシリーズ。
靴工場の跡継ぎとなったチャーリーは、経営困難に苦しんでいた。そんな時にドラァグクィーンのローラやその仲間に出会い、彼女(彼)らが、はきたい大きくてヒールの高いブーツが手に入らずに困っていることを知る。チャーリーの工場で、ニッチ産業として、そういう靴を作ったらどうだろうかと考え、お互いに協力していく。
昔公開した映画は見ていて、好きでしたが、ミュージカルにすると、また違った迫力がありました。歌もダンスもピカイチ、脇役に至るまで、レベルが高いです。
ローラ役の人がなんとも魅力的でした。ありのままを受け入れてと願い、偏見がある人達を変えていこうとします。声量がみんなすごかったし、話もよくできています。舞台を見ている観客も時々映るのですが、盛り上がっているのが伝わってきます。音楽がシンディ・ローパーで作詞作曲しているそうです。歌詞が心に響きます。ドラァグクイーンのショーが素敵だし、衣装や靴も華やかでした。
鑑賞料金が3000円と、映画よりも高いのですが、とても満足できました。ミュージカルが好きな人おすすめです。

★★★★☆ 4+

見ないふりして2021/03/13



「見ないふりして」 メアリ・H・クラーク 新潮文庫
不動産会社で働くレイシーは、死んだ娘の部屋を売りたいという依頼を受ける。打ち合せのためアパートを訪れた彼女を待っていたのは、銃声と見覚えのある男が走り去る姿だった。瀕死の依頼人イザベルはレイシーに娘の日記を託す。イザベルは娘が殺されたと信じていた。その証拠となる事が日記に書かれているのだとうか。殺人の目撃者となってしまったレイシーは、FBI証人保護プログラムを適用されるが。
メアリ・H・クラークの本は、基本的に主人公が若く美しい人で、頭が良くておしゃれな人、ミステリーだけど、ロマンスもあって、ハッピーエンドのはずと思うと安心して読めます。今回はFBI証人保護プログラムで、身を隠す主人公。そういうのがアメリカ映画ではよく聞きますけど、どんな感じなのかと興味深く読みました。飽きさせない読みやすい展開で、面白かったです。

ビバリウム2021/03/15


ビバリウム

「ビバリウム」 TOHOシネマズシャンテ
新居を探すトム(ジェシー・アイゼンバーグ)とジェマ(イモージェン・プーツ)のカップルは、ふと足を踏み入れた不動産屋で、全く同じ家が建ち並ぶ住宅地「Yonder」を紹介される。内見を終えて帰ろうとすると、すぐ近くにいたはずの不動産屋の姿が見当たらない。2人で帰路につこうと車を走らせるが、周囲の景色は一向に変わらない。住宅地から抜け出せなくなり戸惑う彼らのもとに、段ボール箱が届く。中には誰の子かわからない赤ん坊が入っており、2人は訳も分からないまま世話をすることに。追い詰められた2人の精神は次第に崩壊していき……。
かわいいグリーンの家が建ち並ぶ住宅街なのですが、他に誰も住んでいないし、どんな事をしても、何故か街から出る事ができない。赤ん坊の面倒をみるが、見た目は人間でも、不気味な子どもとなっていく。シュールな世界でした。冒頭にカッコウの托卵の映像が出るのだけど、映画の内容を予感させます。ある意味、このシーンが一番恐ろしいです。ソフトなホラーに、SFをプラスしたような感じでした。物語は意外な方向に、行きました。広がりはないけど、私は楽しめました。好悪は分かれるかもしれません。役者さんは良かったです。一番、不気味なのは、不動産屋のマーティンでした。

★★★★☆ 4-

オムライスのハンバーグ添え2021/03/16



昔ながらの洋食屋さん銀座の“レストランあづま”でオムライス。デミグラスソースが懐かしい味を思い出させる。オムライスとハンバーグが好きなので、このメニュー良いなぁ。確かコロッケやエビフライも選べたと思う。

闇は知っている2021/03/17


闇は知っている

「闇は知っている」 池波 正太郎・著 新潮文庫
17歳の僧・隆心は、彼の心を踏みにじった後家お吉を絞殺し、故郷から逃げ出す。山崎小五郎と名を変え、金で殺人を請負う殺し屋となった彼は、天与の美貌と剣技にものをいわせ、平然と女を犯し、人を殺すが、育ての親である隆浄和尚と対峙したとき……。
主人公は非情な殺し屋となってしまいますが、もっと状況が違っていたらと、同情してしまうところがあります。捨て子として寺で育てられ、初めての恋愛で受け入れてもらえず、何かが違っていたら、また良い方向にいく運命があったのではないかと思います。殺人を重ねていくうちに、どうしようもない状況になっていきます。ハラハラするサスペンスタッチな話でした。年上の後家に恋し、その後、剣術を教えてもらう浪人には、父親のような気持ちを持っていたと思います。寂しい育ち方をしたせいもあると思います。
先日読んだ「闇の狩人」の前の話で、同じ登場人物もいました。先のことがわかっているのも不思議な気持ちで読みました。

あのこは貴族2021/03/18


あのこは貴族

「あのこは貴族」 ヒューマントラストシネマ有楽町
都会に生まれ、箱入り娘の20代後半の華子(門脇麦)。結婚が当たり前と信じこんでいる彼女は、恋人と別れ、初めて人生の岐路に立たされる。
相手探しに奔走し、ハンサムで家柄も良い弁護士・幸一郎(高良健吾)との結婚が決まるが……。一方、富山から上京し東京で働く美紀(水原希子)は、苦労していた。そんな2人が出会い、それぞれに自分の生き方を選んでいく……。
描き方が、ややデフォルメされている気もしましたが、面白かったです。幸一郎に出会う前に、お見合いしたり、紹介されたりする人が、わかりやすく変な人で、笑ってしまいます。だからこそ、幸一郎に会った時に、盛り上がります。華子も、見ている観客も。しかし、幸一郎の雨男ぶりは、見事でした。主役の2人と高良健吾、良かったです。お嬢様育ちの身のこなし、それらしく見えました。母と一緒に美術館に行くという事はなかったし、お雛様も持っていなかった等と、自分と比較しました。お金持ちの方の多い大学へ行った友人の話も思い出して、こう言う事かと、納得できました。とにかく大切なのは、信頼できる良いお友達だと感じました。

★★★★☆ 4

築地でイタリアン2021/03/19


 
東銀座、築地の近く“カヴァタッピ”へ。メニューの名前をあまり覚えてないですが、本日のおすすめが、黒板に書かれていて、その中きら、選びました。前菜盛り合わせ、海老のフリット、パスタ。どれも美味しかった。