すみれ野 立場茶屋おりき232021/01/26



「すみれ野 立場茶屋おりき」 今井 絵美子・著 ハルキ文庫
師走もはや十三日。「立場茶屋おりき」でも、朝から男衆たちが旅籠の煤払いに余念がない。そこへ養護施設「あすなろ園」の勇次が心細げな顔をして通りかかった。猟師町にひとりで出かけてくるという。そこには、おりきたちの深い親心があったのだ……。シリーズ第23弾。
あすなろ園の子どもたちも、将来を考える年頃になる子もいて、1人は板前修業を前から初めているが、1人は亡くなった父と同じように漁師になりたいと言ってきました。
前に下足番見習いをしていた三吉は絵の才能が認められて京へ修行へ行っていたが、結婚すると便りがありました。三吉と双子のおきちは、女将修行をしているのだが、自分は女将になりたくないと言い始めます。おりきとしては、次世代を育て、立場茶屋おりきの将来を考えていかなければなりません。旅籠を離れられない女将に変わって、三吉の祝言の為に、おきちと番頭が京へ行くことになります。この時代は、品川から京都へ行くのは大変なことでしょう。船も使うようでしたが、何日もかかるようです。でも、今の私たちもずっと後の世代になったら、私たちの行き方でも、すごく時間がかかるとなるのだろうなぁ。リニアモーターカーの時代になったら速くなるでしょうし、今でも新幹線より飛行機の方が、速いですね。