天ざる2020/10/10



映画の前に食べました。“みよた”銀座店で、天ざるです。お蕎麦自体も美味しいし、天ぷらもサクッと揚っています。

82年生まれ、キム・ジヨン2020/10/11


82年生まれ、キム・ジヨン

「82年生まれ、キム・ジヨン」
結婚・出産を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨン(チョン・ユミ)は、母として妻として生活を続ける中で、時に閉じ込められているような感覚におそわれるようになる。単に疲れているだけと自分に言い聞かせてきたジヨンだったが、ある日から、まるで他人が乗り移ったような言動をするようになってしまう。そして、ジヨンにはその時の記憶はすっぽりと抜け落ちていた。そんな心が壊れてしまった妻を前に、夫のデヒョン(コン・ユ)は真実を告げられずに精神科医に相談に行くが……。
原作を読んでいたので、興味ありました。日本と韓国は、女性の立場には、似ているところがあります。特に会社ではガラスの天井があって、全ての会社ではないけど、男性のように出世ができないのが、ほとんどです。内閣にも女性閣僚は2人くらいだし、それだって対外的に入れているような感じです。しかし主人公は、82年生まれと言えば、それほど昔ではないのに、韓国はもっと男性が大切にされています。あからさまに、跡継ぎは男の子と言っています。真面目なジヨンは、良い嫁になるように、一所懸命尽くしています。目に見えないストレスやプレッシャーが、のしかかっています。まるで別人格が憑依したようになるのです。それが1人ではなく、いろいろな人で、亡くなっている人なんです。まさに憑依という感じがします。そして、ジヨンの過去の出来事が語られ、ジヨンがどのように育ってきたのか、わかります。ジヨンの実家は、ホッとできる場所で、特に母や姉弟は心配してくれます。夫は優しい人のようですが、ジヨンの問題は解決するのが難しいです。観ていても辛い事が多いのですが、共感できる事が多かったです。原作を思い出しながら楽しめました。

★★★★☆  4

浅田家!2020/10/13


浅田家!

「浅田家!」 TOHOシネマズ日本橋
浅田家の次男・政志(二宮和也)は、父の影響で幼い頃から写真に興味を持ち、やがて写真専門学校に進学。卒業制作の被写体に家族を選び、浅田家の思い出のシーンを再現した写真で学校長賞を受賞する。卒業後しばらくはくすぶっていたものの、再び写真と向き合うことを決意した政志が被写体に選んだのは、やはり家族だった。様々なシチュエーションを設定しては家族でコスプレして撮影した写真で個展を開催し、写真集も出版され、権威ある賞も受賞する。プロの写真家として歩み始めた政志は、全国の家族写真の撮影を引き受けるようになる。しかし、2011年3月11日、東日本大震災が発生。かつて撮影した東北に住む家族のことが心配になった政志は被災地に足を運ぶが、そこで家や家族を失った人々の姿を目の当たりにする。
中野量太監督はいつも家族をテーマにしているように思いました。この映画は実話をもとにしています。もともと写真集を見たことがあったので、面白い家族だなぁと思っていたので、どんないきさつでこういう写真を撮るようになったのかと、わかって面白かったです。あきれながらも、協力する兄に妻夫木聡、両親は平田満と風吹ジュン。配役も良かったですし、家族の持つ空気感が伝わってきます。映画にはいろいろな家族が出てきます。東日本大震災後、カメラマンでも被害の様子を写真におさめるのではなく、知り合いを捜しに行って、被害者たちの写真を洗って、返却するボランティアをします。そういうところがこの人らしいです。家が流されてしまった人達が捜しているのは、やはり家族の写真なのです。菅田将暉も出ていて、良いところを持っていきます。初めと終わりのつながりも、うまい構成で、良い映画を観れました。

★★★★☆ 4

KING&QUEEN展2020/10/14



「ロンドン・ナショナルポートレート・ギャラリー所蔵
KING&QUEEN展」 上野の森美術館
英国の歴史を辿りながら、テューダー朝から現在のウィンザー朝までの、王朝の肖像画や写真を約90点、展示しています。
血塗られた歴史もありますが、英国王朝って、映画になっているのが多いなぁとつくずく思いました。「英国王のスピーチ」はエリザベス女王のお父さんの話だし、「ブーリン家の姉妹」や、「エリザベス」などを思い浮かべながら見ました。エリザベス女王の妹マーガレット女王、とても美しいのですね。エリザベス女王も若い頃の写真が素敵です。充実した展示でした。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン2020/10/15


劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 丸の内ピカデリー
人々に深い傷を残した戦争が終結して数年、新しい技術の開発によって生活にも少しずつ変化が現れ、人々は前を向いて歩み始めた。ヴァイオレットも大切な人であるギルベルトがどこかで生きていることを信じ、彼への思いを抱えて生きている。ある時、ギルベルトの兄ディートフリートと対面したヴァイオレットは、ギルベルトのことを忘れるよう諭される。しかし、ヴァイオレットにとってギルベルトを忘れるなどできないことだった。そんな彼女に、ユリスという少年から代筆の依頼が入る。時を同じくして、ヴァイオレットが働くC.H郵便社に宛先不明の一通の手紙が届き……。
テレビ放送されていたアニメの続きになります。。戦時中に兵士として育てられ、愛を知らずにいた少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業をしています。感情がないようなヴァイオレットなのですが、この映画の中では、涙で目が濡れていることが多いです。みんな泣き過ぎな話です。アニメをきちんと見ていなかったので、簡単な説明や動画を読んで一応の予習をしてから行きました。困ることはなかったけど、細かいつながりはわからないところもあります。人物はいかにも漫画っぽいですが、風景などは、本当に精密に描かれいて、きれいでした。全体的に悪くないのですが、ちょっとメロドラマのようにも感じました。少年ユリスの話は、泣けました。手紙の代筆業が、どの程度の役割で書くのかと思ったら、基本的には依頼者が主流で、助言はするけど、依頼された通りでした。私は話を聞いて、内容をくみ取って、全部書いてしまうのかと思っていました。他にも宣誓文書などを依頼されて、自分なりに書いてはいました。手紙が好きなので、面白かったです。架空の国で、字も違うので、画面に出ていても読むことはできません。今では古い電話やタイプライターなどが出てきて、古い日本と、外国風なものが入り混じって、不思議な雰囲気でした。

★★★☆☆ 3+

牡蠣の潮煮みぞれ仕立て2020/10/18



映画「みをつくし料理帖」から、着想を得たスープが、期間限定で出ていました。“スープストックトーキョー”です。味はまあまあ、牡蠣も結構入ってましたが、煮て時間が経っているようで、スープの色が、黒っぽいです。出来立てなら、広告のようにきれいなのかな。柚子胡椒で、ちょっと辛味がありました。

みをつくし料理帖2020/10/19


みをつくし料理帖

「みをつくし料理帖」 TOHOシネマズ上野
享和2年の大坂、仲の良い幼なじみだった8歳の澪と野江を大洪水が襲う。数年後、大洪水で両親を亡くし、野江とも離れ離れになってしまった澪(松本穂香)は江戸に暮らしていた。蕎麦処「つる家」の店主(石坂浩二)に助けられ、天性の料理の才能を見いだされた澪は女料理人として働き、さまざまな困難に立ち向かいながらも店の看板料理を生み出していった。その味が江戸中の評判になっていったある日、吉原・翁屋の又次(中村獅童)がつる家にやってきた。又次の用件は、吉原で頂点を極めるあさひ太夫(奈緒)のために澪の看板料理を作ってほしいというものだった。
原作を読んでいたので、かなり省略されていると感じました。長い話なので、しょうがないですが、原作にない役などもあったし、演技がわざと大袈裟になっていました。特に戯作者演じる藤井隆と、お隣さんで、つる家を手伝っているおりょうさんを演じている浅野温子は、テンションが高過ぎる感じでした。角川春樹監督なので、往年の角川映画を彩った人たちが出演しています。石坂浩二、薬師丸ひろ子、渡辺典子など。
話は澪と野江の友情を中心に描いていて、他の事情はサラリと急ぎ足でしたが、逆にゆったりしていて遅く感じるところもありました。澪役の松本穂香は可愛かったし、又次役の中村獅童は、あっていたと思います。
間に出てくる料理は、とても美味しそうでした。でも、ドラマと比較すると、物足りなかったです。

★★★☆☆ 3-

黄昏に眠る秋2020/10/20


黄昏に眠る秋

「黄昏に眠る秋」 ヨハン・テリオン・著(三角 和代・訳) ハヤカワミステリ文庫
霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。それから20数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた二人を待つ真実とは?
エーランド島はバルト海にあるスウェーデン領の島、夏は観光客が来るものの、イェルロフやユリアの住んでいたあたりは、荒涼とした人の少ない場所のようです。その自然豊かな様子と、ミステリアスな内容が、面白かったです。
あまり明るくはないです。子どもが行方不明のまま20年以上、その子どもの母も祖父も、亡くなった祖母も、後悔をかかえています。あの時、目を離さなければと。事故か誘拐か、なぜ今頃になって、靴(サンダル)が送られてきたのか、体も不自由になって、ホームで暮らしているイェルロフが、調べていきます。
ユリアは、嘆き悲しみ続けていて、それほど調査に協力するわけではありませんが、なんとか立ち直ろうとしています。犯人と思われる人の、過去のシーンと現代のシーンが順番に語られます。映画にしたら良さそうです。