罪の声2020/08/27


罪の声

「罪の声」 塩田 武士・著 講談社文庫
京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を調べ始め、少しずつ真実を追求していく……。
既に古い事件になっているので、若い人は知らないかもしれないけど、グリコ森永事件をベースにして、会社名などは違うのですが、ドキュメンタリーのようなフィクションです。その年の近くにはいろいろな事が起こっていたなぁと、思い出してきました。だんだんこの事件の報道も減っていったし、結局どうなったのか、犯人はわからずじまいでした。
この事件の影で本当に起きていたことは何だったのか、証拠も多いようにも思えたけど、どうして犯人は捕まらなかったのか、いろいろと考えさせるし、興味を覚える内容でした。小説の構成はテーラーで自分が子どもの頃に知らずに事件に関わっていたかもしれない俊也と、未解決事件の特集記事で、担当に駆り出される新聞記者の阿久津、交互に語られていきます。いつ、どういう風にそれが結び付いていくのか、会ってからはどんどん話が進んでいくようでした。
映画化していて、今年公開する予定なので、観てみたくなりました。

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