写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと2020/01/14


写真家ソール・ライター

「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」 
Bunkamura ル・シネマ
伝説の写真家ソール・ライターの半生を追ったドキュメンタリー。1923年、米ピッツバーグに生まれた写真家のライターは、絵画のように豊かな表現力でニューヨークを撮影したカラー写真の先駆者として40年代から活躍し、「ヴォーグ」等の有名ファッション誌の表紙も飾ったが、写真に芸術性よりも商業性が求められるようになった80年代、表舞台から姿を消してしまう。それから時を経た2006年、写真集の印刷に定評のあるドイツのシュタイデル社から初の写真集が発表され、80歳を超て、有名になった。そんなソール・ライターの日常を追う映画。
2015年に日本で公開された映画(製作は2012年)でしたが、見逃して残念に思っていました。現在、Bunkamuraザ・ミュージアムでソール・ライターの展示が始まり、期間限定で再上映となっていました。ザ・ミュージアムにも来週行く予定です。
ソール・ライターの人柄が伝わってくる作品でした。優しくてユーモアのあるおじいちゃんでした。心に響く言葉がいっぱいあるのです。
「私は物事を先送りする 急ぐ理由が分からない
人が真剣に考えることの中には、そんなに重大ではないことが多い」とか。
名声は求めず、静かに生活していたかったようです。ずっと同じ町に住んで、その界隈の写真を撮り続けていました。構図が独特で、隙間からのぞき見るような写真が多くて、陰影や色合いが本当にみごとで、芸術的です。どんな作品が好みなのか、亡きパートナーとのこと、近所をまわって写真を撮っている様子など、面白かったです。
映画の字幕を翻訳家で有名な柴田元幸さんが担当しています。
映画の上映後に柴田元幸さんのトークショーもあって、興味深い内容でした。

★★★★☆ 4