象は静かに座っている ― 2020/01/13
「象は静かに座っている」 アップリンク吉祥寺
中国の小さな田舎町。学校で友達をかばった少年ブーは、同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。シュアイの兄は町で幅を利かせているチェン。
友人のリン、近所の老人リンも巻き込み、ブ―は、町を出ていこうとする。
それぞれに事情を抱える人たちが、2300キロ離れた先にある満州里にいるという、1日中ただ座り続けている奇妙な象の存在にわずかな希望を求めて歩き出す。
ポスターに書いてあるように、29歳で命を絶ったデビュー作にして遺作。世界を熱狂させた魂の234分。若く才能あるフー・ボー監督の作品ですが、すでに亡くなっています。そして234分って、ほぼ4時間の長い話。脚本も監督が書いています。
確かに長いのですが、4人の人生が交錯していて、説得力ある話になっていました。どんよりと暗い風景や表情。どの人にも出口が見えない感じがしました。いったいどうなっていくのかと惹きつけられます。象の存在に希望を託して、そこに行けばなんとかなるのではないかと、苦しんでいる人たちの小さな希望が象だけでなく、誰にでも何かしらあるものです。主要の登場人物が魅力的でした。長いので観に行か躊躇しましたが、良かったです。
★★★★☆ 4
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