空の青さを知る人よ2019/10/19


空の青さを知る人よ

「空の青さを知る人よ」 TOHOシネマズ日比谷
秩父に暮らす高校生のあおい(声:若山詩音)は、東京へ出てバンドをやることを目指して大好きなベースを弾いて毎日を過ごしていた。あおいには唯一の家族である姉のあかね(声:吉岡里帆)がいるが、2人は13年前に事故で両親を亡くしており、当時高校3年生だったあかねは恋人・慎之介(声;吉沢亮)との上京を断念して地元で就職し、妹の親代わりを務めてきた。あおいは自分を育てるために多くのことを諦めた姉に対し、負い目を感じていた。そんなある日、町の音楽祭に大物演歌歌手が出演することになり、そのバックミュージシャンとして、あかねと別れたきり音信不通になっていた慎之介が町へ帰ってくる。時を同じくして、まだあかねと別れる前の慎之介が、13年前の過去から時を超えてあおいの前に現れる。
不思議な話でした。まだ高校生の慎之介が現れます。慎之介や姉が高校生の頃、まだ幼かったあおいは、ちょうど当時の姉と同じ年になっています。
「ハロー・ワールド」のようなタイムトラベルやパラレルワールド的なものかと思えばそうでもなく、しんのはお堂から外には出ることができません。あかねと別れた時にしばられている生霊のような存在なのか。大人になった慎之介は覇気がなくて、すっかり変わってしまっていますが、高校生のしんのは、楽天的でパワフルでした。その声をどちらも俳優の吉沢亮さんがやっているのだけど、うまかったです。「ハロー・ワールド」は、大人になった役とは声は別々でしたけど、それは2人が同時に出るシーンが多かったせいもあります。「空の青さを知る人よ」でも、同時に存在しているシーンがあって、会話もしているのだけど、1人で大変だと思いました。姉役の吉岡里帆さんも声がきれいで自然で良かったです。
バンドの曲で「ガンダーラ」をよく歌って演奏していました。懐かしいけど、また違った歌い方でした。絵は好みもあるかもしれませんが、風景はリアルで、自然豊かな秩父を描いています。面白かったです。

★★★★☆ 4