あなたの名前を呼べたなら2019/08/04


あなたの名前を呼べたなら

「あなたの名前を呼べたなら」 Bunkamura ル・シネマ
農村出身で未亡人のラトナ(ティロタマ・ショーム)はファッションデザイナーを夢見ながら、メイドとして働いていた。建設会社の御曹司アシュヴィン(ビベーク・ゴーンバル)の新婚家庭で住み込みで働く予定だったが、結婚直前で破談となってしまい、ムンバイの高級マンションに1人で暮らすことになった傷心のアシュヴィンを気遣いながら、ラトナは彼の身の回りの世話をする。ラトナはメイドの仕事をこなしながら、裁縫を勉強しにいく時間を取らせてもらうことをお願いすると、優しい雇い主のアシュヴィンは許してくれる。お互いのことを知っていくうちに、2人は惹かれあうようになるが、格差社会のインドでは、それは難しい問題だった。
原題は「Sir」、メイドが「旦那様」を呼ぶ時の言葉で、ラトナは常に「Sir」と呼んでいます。この邦題はうまく気持ちを表していると思いました。
ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラの長編デビュー作だそうです。女性らしい細やかな目線で、2人の気持ちが変化していく様子を綿密に描いています。
インド映画にしては、しっとりとした恋愛映画でした。
経済発展が目覚ましい都会のムンバイの様子や、インドの現在がよくわかります。まだ若いラトナが、故郷の風習では一生、未亡人だとか、身分格差があるとか、日本や欧米に比べると、信じられないです。ムンバイは、ニューヨークのようにビルが建ち並んでいて、これからは、考え方も変わっていくように思えました。
もっと、その後のことを知りたくなるような内容だったけど、とても良かったです。

★★★★☆ 4+