まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ2019/02/07


まひるまの星

「まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ」  吉永 南央・著 文春文庫
シリーズ第5弾。北関東の小さな町でコーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営むシニア世代の杉浦草。ある日、町の山車蔵移転問題がもちあがり、「小蔵屋」が第一候補になる。他の候補地を探していると、うなぎ屋の近くに良い場所があると思われるが、うなぎ屋の女将が反対している。草の亡母とうなぎ屋の女将は、昔は親友だったが、ある日を境に仲違いしてしまい、草とも絶縁状態。過去に何があったのか、町の噂の断片や、歩き回って知ったことなどから、草は重い事実に気が付く。
一応、このシリーズはミステリーなのだと思うけど、町の人間関係が深くかかわっていて、複雑になっています。今作が一番、ミステリーっぽい気がしました。うなぎ屋の家族関係や、草の人間性など、エンターテイメント性はないけど、味わい深いシリーズになっていると思います。