萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ2018/12/07


萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ

「萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ」 吉永 南央・著 文春文庫
観音さまが見下ろす街で、コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む気丈なおばあさん、杉浦草(そう)。店で試飲用のコーヒーを出しているので、それを目当てに常連さんたちが集まってくる。会話の中で、街で起きている事件の存在に気づき、調べていくと……。
年はとっても、凛としていて、生き生きと働くお草さん。人生の苦労や老いを体験しつつも、自分の理想とするお店を作っています。コーヒー豆と和食器のお店というのが、ステキだなぁ。
短編連作形式で、推理もののようにも感じるけど、どの話も、そんなにスッキリとはいきません。おまけに若者のように行動力があるわけでもないのです。
それでも、周囲の人々を温かくみつめ、お店で働く若い久美さんの助けを受けながらも、気になることに首をつっこんでいきます。一本筋の通った主人公に魅力を感じて、どんどん読み進められました。

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