教誨師2018/10/20


教誨師

「教誨師」 有楽町スバル座
受刑者の道徳心の育成や心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く教誨師。死刑囚専門の教誨師である牧師・佐伯(大杉漣)は、独房で孤独に過ごす死刑囚にとって良き理解者であり、格好の話し相手だ。佐伯は彼らに寄り添いながらも、自分の言葉が本当に届いているのか、そして死刑囚が心安らかに死ねるよう導くのは正しいことなのか苦悩していた。そんな葛藤を通し、佐伯もまた自らの忘れたい過去と向き合うことになる。
面会室のような部屋だけで、会話しているだけの映画だけど、不思議と飽きなかったです。6人の死刑囚は、それぞれにタイプが違っていて、気さくに話をする人もいれば、佐伯に心を開いてくれない人もいます。むしろ初めは皆、開いてはいなくて、全く話さない人もいます。特殊な場所に収監されていて、ちょっとおかしくなっているのではないかと思える人もいました。知らなかったのですが、死刑囚は刑務所ではなく、拘置所にいて、作業などもなく、自由な服装をしているようです。3食昼寝付きの生活と言っている人もいました。しかし、いつ執行されるかしれない死の恐怖は、自分が犯した罪があったとしても耐え難いものだと感じます。
そして、牧師である佐伯が、教誨師となった理由や、佐伯自身も気がついていなかった自分の役割が何かなどを、死刑囚と接していくことによって、考えさせられる人間ドラマでした。

★★★☆☆ 3+