国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖2018/02/28


鬼振袖

「国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖」 河治 和香・著 小学館文庫
鬼振袖(おにふりそで)とは薹(とう)の立った娘の振袖姿のこと。浮世絵師国芳を父に持つ美少女登鯉も19歳、現代と違って、そろそろお嫁にいき遅れている年頃、初恋の人との哀しい出来事や、最愛の人との再会など、いろいろ起こる3巻。
一方、発禁覚悟で、諷刺画を描きまくっている国芳は、南町奉行所隠密廻りによって要注意人物としてマークされ……。
巻末の解説というか、対談に書いてありましたが、漫画家とアシスタントは、浮世絵師と弟子たちの生活に似たところがありますね。仕事を請け負って、みんなで仕上げたり、弟子指示してやらせたり。諷刺画は、庶民の楽しみだった時代だから、漫画に近いかもしれません。私はたけし軍団を思い浮かべました。師匠に弟子入りして、名前をもらって、仕事以外でも、師匠に言われたことをみんなでやったりする関係。師匠にふりまわされることもあるし、家族のように協力もします。
しんみりする話もあったけど、良いお話でした。