海賊とよばれた男 上・下2017/08/16



「海賊とよばれた男 上」 百田 尚樹・著 講談社文庫


「海賊とよばれた男 下」 百田 尚樹・著 講談社文庫

主要燃料が石炭だった時代から、石油の将来性を見抜いていた国岡鐡造は、北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者や欧米の石油メジャーなど、様々な壁が立ちふさがる。それでもあきらめない鐡造は、型破りな発想と行動で自らの進む道を切り開いていく。やがて石油メジャーに敵視された鐡造は、石油輸入ルートを封じられてしまうが、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を秘密裏にイランに派遣するという大胆な行動に出る。それは当時のイランを牛耳るイギリスを敵に回す行為だったが…。
敗戦で、海外資産を失い、石油も手に入らない状況で、社員をクビにせずに、再起を図る。出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしている。
会社の利益のためではなく、将来の日本のためにと考えて、困難に立ち向かっている気骨ある人物です。先見の明があると感じました。石油が将来重要な物なるとか、石油メジャーに蹂躙された日本が、どうなるか、正しいことが何かを、常に実行していきます。そのためには、心労が絶えない日々を過ごしていることがわかりました。イランにタンカーを派遣し、取引したことが、そんなに大きな事件(日章丸事件)となったとか、歴史的なことも全く知らなかったです。
石油業界のことは、難しかったけど、面白かったです。全体的には終戦後の話が多かったけど、25歳で創業し、苦労して取引を獲得していく、若い頃の話も良かったです。

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