タレンタイム 優しい歌2017/03/19

タレンタイム 優しい歌
「タレンタイム 優しい歌」 シネアーツ試写室(試写会)
マレーシアのある高校で、音楽コンクール“タレンタイム”が開催される。ピアノを弾きながら歌うムルー、二胡を演奏するカーホウ、オリジナル曲で参加する歌とギターが上手なハフィズらが、オーディションに合格。練習やリハーサルへ行くために、ムルーをバイク送迎することになった耳の聞こえないマヘシュはムルーと恋に落ちる。ハフィズが転入してきて、成績トップを奪われたカーホウは、複雑な感情を持っていた。ハフィズの母は闘病のために入院している。マレー系、インド系、中華系、民族や宗教の違いやわだかまりを抱えながら、いよいよコンクール当日を迎える…。
出場する学生たちには、困難や苦悩があるけど、悲劇の近くにもささやかな人生の喜びもあります。厳しい現実があっても、宗教や民族の壁を越えていく希望があるように思いました。
映画を彩る音楽もタイトルにもあるように優しい歌ばかりで、とても良かったです。
女性監督のヤスミン・アフマドは、2009年にこの映画が公開された直後に脳内出血により緊急入院し、51歳で急逝。この作品が遺作となっています。
民族や、宗教の違いで交際を反対される事は、日本人にはあまりないかもしれないけど、この映画の若者たちの気持ちは、すごく理解できました。手話で語るマヘシュの感情はストンと心に響いてくるし、入院中の母の言葉は素晴らしいです。セリフがどれも良かったです。その母に寄り添ってきてくれる車椅子の男の人も、それほど出てこないけど、天使のような人でした。
静かに感動し、映画にひたりながら、試写室を後にしました。

★★★★★ 5

公式サイト
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http://www.moviola.jp/talentime/