エゴン・シーレ 死と乙女2016/12/28

エゴン・シーレ 死と乙女
「エゴン・シーレ 死と乙女」 映画美学校試写室(試写会)
20世紀初頭に活躍し、28歳の若さで早逝した異端の天才画家エゴン・シーレの半生を描いた映画。
1910年、美術アカデミーを退学したエゴン・シーレ(ノア・サーベトラ)は画家仲間と「新芸術集団」を結成した。妹のゲルティ(マレシ・リーグナー)は16歳で裸体画のモデルにもなっている。グスタフ・クリムトのモデルだった、ヴァリ(ファレリエ・ペヒナー)と出会い、彼女と同棲を開始。シーレはヴァリをモデルに数々の作品を発表。シーレの絵が認められるようになっていくが、第1次世界大戦が勃発…。
シーレの晩年と過去が交錯していて、ちょっとわかりにくく説明は少ないのですが、私は興味があったので、とても気に入りました。献身的に兄を支える妹、兄妹の仲が良さそうだけど、16歳で兄のヌードモデルをやるだろうかとちょっと驚きました。2人の関係性が普通の兄妹よりも近いという事が、うかがわれます。妹の結婚も反対し、嫉妬じゃないのかと思えるところが出てきました。シーレ役のノア・サーベトラは新人俳優だが、すごいイケメンでした。目の保養になります。芸術と、彼をめぐる女性たち、彼女たちがシーレの絵の源だったということがよくわかります。特にヴァリは、シーレにとっても大切な存在だったと思うのだけど、結婚にはいたらないのだなぁと冒頭シーンからもわかってしまいます。シーレが合格したウィーンの美術アカデミーは、2年後にアドルフ・ヒトラーが受験して不合格になっています。ヒトラーがもし合格していて画家になっていたら、時代は変わったものになったことでしょうね。そういう時代背景のウィーンの話でした。街並や風景も美しかったです。映像の中でエゴン・シーレやグスタフ・クリムトの作品が見られるのも良かったです。

★★★★☆ 4

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